庭園内には様々な石灯籠がある。

   尾道「爽らい軒庭園」散策 070503


 以前、新聞に出ていた「爽らい軒庭園」のことが気になっていた。午前中に農作業も終わり昼から時間がとれたので、ひとり出かけてみることにした。国道2号線を西へ進み尾道市久保の防地口交差点を左に入ったところに爽らい軒庭園がある。専用の駐車場はないので近隣の有料駐車場を利用した。江戸時代当時の豪商や尾道の繁栄を物語る文化遺産としてこの4月から公開されている。

    
   爽らい軒入り口        入り口の石灯籠     めずらしい「砂せっちん」


    
 「砂せっちん」前の手水鉢    腰掛待合所        庭園内の踏石

 この「爽らい軒庭園」は江戸時代尾道を代表する豪商として知られていた橋本家の別荘であった。橋本家は当地の浄土寺建立をはじめ、天保の飢饉に際して慈善事業を行い飢餓による犠牲者を出さなかったことでも知られている。明治になると県内初の国立銀行(現広島銀行)の創業など、近代産業や諸機関の普及、育成に尽力した。

    
   茶室「明喜庵」                  茶室


    
   防地川と通じた池


          


 この庭園は、腰掛待合から南北に続く長い露地や築山と共に、池、茶室を配して構築され、多くの樹木とともに築庭されている。築庭者は小堀遠州と伝えられている。




 庭園の散策を終えて、北側路地を歩いていると「ささき画廊」が目に入った。中を覗くと「小林和作」の絵が多数展示してあった。ここの老店主に小林和作にまつわるおもしろい話を聞いた。ささき画廊は久保にある。数十年前、小林和作は隣の長江に住んでいたらしい。和作は映画が好きで当時、久保にあった映画館によく通っていたそうだ。当時、和作は映画館に入って10分もしないうちに映画館から出て、ささき画廊に来ていた。店主がなぜ映画を全部見ないで出てくるのか聞くと、和作は「私は映画のストーリーを見てるのではない。色を見に来ている。これだという色を見つけたら映画館を出るのだ。」と言っていたと老店主がお話をしてくださった。

    
 ささき画廊   当時からお菓子やさんを経営されている  菓子店「芳選堂」と店主





 しばらく、和作の絵を鑑賞して画廊を出た。しばらく歩くと狭い路地の入り口に「水尾井戸」という案内を見つけた。路地を入って試飲をしてみた。

    
   この路地を入る    右の水道から水が出る    柔らかい味だった


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