上野真樹  ヴァイオリンコンサート   080419


 カフェ「スペース461」の4月予定に、「19日(土)、上野真樹ヴァイオリンコンサート」が載っていた。

先月から、ぜひ聴いてみたいと気になっていたが、当日行けるかどうか分からないので「予約」をしていなかった。

しかし、今日になって時間のやりくりをつけることができた。

さっそく「スペース461」へ連絡してみた。

ラッキーなことに、まだ満席ではないそうだ。

今日、午前中予約をした。

13:30開場、14:00開演予定。

午後、「スペース461」へ一人出かける。





            


「SPACE461」は、アートと会話の楽しめるギャラリー&カフェです。
色々な分野の個展や461企画展、40席程度のコンサートなどをしています。
建物の中に入ると、アートな空間でゆっくりとくつろぎながら楽しむことができます。
冬には薪ストーブが体の芯まで暖めてくれ、落ち着いた雰囲気にもなれます。
カフェはシフォンケーキがおススメです。  
定休日 月曜日(ギャラリー会期中は無休)
オープン 午後1時 クローズ 午後7時
福山市芦田町上有地461   
TEL 084-958-2594             「space461」HPより


       
             
店内の薪ストーブ



   
       コーナーには、さりげなく麦の穂が・・・                     ステージには、おしゃれな絵画も





                            上野真樹  ヴァイオリンコンサート


                             
プロフィール

東京芸術大学、ドイツ・ハノーファー国立音楽大学ソリスト・コース卒業。
25年間フィルハーモニア・フンガリカなどドイツ各地のコンサートマスターを勤めた後、2002・4〜2004・3広島交響楽団コンサートマスターに就任。

音楽を通した平和活動として、国際交流・大学・病院・社会福祉施設・企業・美術館、アフガニスタン・パレスティナ・対人地雷問題やドイツ平和村でのボランティア演奏など、一人でも多くの方に「愛の楽器ヴァイオリン」を聴いていただくため、故ユーディー・メニューインの「音楽家は平和の戦士」という生き方をモットーに、多彩な演奏活動を展開中。


                  
                  
     上野さんが25年間を過ごしたドイツの田園地帯

なぜ、ドイツへ?                             

よばれたから行ったのです。
大学時代からいっぱいアルバイトをしていたぼくは、仕事に埋もれて、何のために生きているのかわからなくなってしまいました。
自分で考える時間を持つために、とにかく日本を脱出したかったのです。
どこでもよかったのです。
アメリカでも、中国でも、アフリカでも、ヨーロッパでも。
そしたらたまたまドイツのあるオーケストラから、来ませんか?というお誘いがあったのです。
よばれればどこへでも行く芸人根性が、この時芽生えてしまったのでした。
(上野真樹のオフィシャルサイトより)

ドイツでの生活は?                       

25年もおりましたから、人が経験することには一通り出会いました。
ずっと田舎に住んでおりましたから、普段の生活はいなかっぺそのもの。
ご近所のブタの世話や庭仕事で泥だらけになっておりました。
ある日突然、牛が庭で草を食べていたり、友達だったブタちゃんがソーセージになったりして、びっくりしました。
20年近く弾いていたフィルハ―モニア・ウンガリカというオーケストラはハンガリー系の人がいっぱいいて、はじめて本物のジプシー音楽にも出会いました。
イランやアラブやユダヤの音楽家と友達になったり、世界中を演奏旅行するようになって、クラシックだけじゃなく、世界中の音楽がますます好きになりました。
そんな時、ヴァイオリニストにとっては神様のような人、ユーディー・メニューインに出会いました。
彼の指揮でアメリカやロシアやヨーロッパ各地で演奏しました。
彼の人柄に魅了され、「音楽家は平和の戦士」という彼の生き方に共感しました。
ただの「およばれ芸人」から「平和の戦士になりたい芸人」へと変身したのでした。
「ぼくのヴァイオリンでお役に立てることがあれば、どこでも、だれにでも聞いていただきたい」と思うようになったのです。
(上野真樹のオフィシャルサイトより)


                     


ドイツ滞在25年,世界30ヶ国での演奏活動をもとにしたヴァイオリン演奏とお話は,わかりやすくて楽しいものでした。
上野さんが私たちに分かるまで噛み砕いて、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンのことを教えてくださいました。
ベートーヴェンの曲はしんどい、高低の繰り返しがひどく、それに強弱も極端だから年をとるとあまり弾きたくない等ユーモアを交えてお話をして頂きました。
「クラシック音楽はわからない」と思っていらっしゃる方々に、ぜひ一度、生のヴァイオリンを聴いていただきたいと思います。
それと、調べてみたことですが、上野さんのヴァイオリンはカルロ・フェルディナンド・ランドルフィーという名器で、250年前に製作されたものとか…。
ということは、今年(2008年)は、モーツァルト生誕252年なので、今日聴いた音はモーツァルトとほぼ同じ年代に製作された楽器の音だということですね。
音楽の世界のロマンを感じますね。
その音は、本当にまろやかな優しい音でした。
もっとも、演奏者である上野さんの観客の皆様に合わせた選曲、技量もあるのでしょう。
上野さんの曲の紹介も、優しく丁寧、軽妙。
「G線上のアリア」はなぜそう呼ばれているのか等々。
本当に楽しく興味深いものでした。


                            〜今日のプログラム〜

                         ヴィバルディー   春
                         ブラームス      ハンガリーダンス
                         バッハ        G線上のアリア  
                         葉加瀬太郎     情熱大陸
                                     他


今日の演奏会は、40人も入ると満席になるくらいの小さなホールで行われました。
小さなホールなので、そのままの音が、まさに自分のためだけのような演奏を、間近で聴くことができました。
そして、演奏家の方も聴衆の皆さんとコミュニケーションをとりながら演奏する。
「ああ、こういう形が本来の演奏会なんだ」と思わせるものでした。
そういう機会をつくっていいただいた「space461」のみなさん、ありがとうございました。
1時間30分、素晴らしいひと時を過ごすことができました。

               
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