アジ・ヤズ狙いに        111103



先日、釣友から連絡が入った。 

「今年は青物が不発で欲求不満。11月3日(文化の日)に文化的な釣りをしよう」とあった。

前回の釣りで、大漁の予感を感じていた自分としては、こんどこそ大物が釣れるのではないかと思う。

8時過ぎに出発する。 途中、釣り具店でサビキ仕掛けを少々購入する。 

いつもは、青虫などの餌も少し購入するのだが今日はサビキに賭けてみようと餌は購入しない。

9時前にマリーナに到着する。 すでに釣友は来ている。 今日は総勢3名での釣行になる。



この頃、出港前にやることは、まずビルジを抜くことから始まる。

船艇のどこからかわからないが水が入っている。 釣り後の洗浄時か雨水が僅かずつ侵入しているのだろう。

幸いなことに、キャビン内に浸水は無い。 今日もビルジ栓を開けるとビルジが出る。

次に船艇をクレーンで下架してもらう。 出港前の給油を行う。




                
                                                         
マリーナを出港する




さて、いよいよ出港する。 ここ境ガ浜マリーナの桟橋は、出港するときは簡単なのだが帰港するときはけっこう難しい。

クレーン下に、ゆっくり入らないと支柱とけんかしてしまいそうだ。 いずれ慣れるのだろうか。

今日は午前中は曇っているが昼からは晴れるらしい。 



出港時には、海上保管艇の大型クルーザーが気になる。




                
                                                   
@





                 
                    A                                       B




こうして、いろんなクルーザーを観ると、オーナーの好み、海の楽しみ方がわかるような気がする。 

Aの艇は、のんびり景色を見ながらクルージングをしキャビンで一杯やりながら歓談をする。

  「ちょっと竿でも出してみるか」というタイプのオーナーを想像する。

Bの2艇は、高速で走り遠方までクルージングを楽しむ。 キャビンではオーナー独自の楽しみ方(映画観賞など)をする。

  「釣り? しないよ。 いや、たま〜にするかな?」というタイプのオーナーを想像する。

@の2艇は、釣り目的で出港しフライブリッジからナブラや青物を探しトローリングをする。 

  キャビンでは一杯やりながら大物釣りの計画や反省会をする。 「釣り? 船で釣りをしないでどうするの?」

  というタイプのオーナーを想像する。

いろんな艇があるこのマリーナは刺激が強い。 誘惑が多い。 そういう意味では、どうもよくない。 



さて、出港して左を見ると(株)常石造船のドックが続く。 どのドックにも船が入っている。 建造中か修繕中のようだ。

空いているドックが見当たらない。





                 





                 
                                            
               新造船に巨大エンジンの積み込み中





(株)常石造船は、常石工場と多度津工場、フィリピン工場、中国工場、4つの拠点で新造船の建造及び修繕事業を展開している。

貨物船やタンカーだけでなく、自動車運搬船や木材専用船など世界のニーズを捉えた船舶を開発・建造している。

この不況の中でよく持ちこたえていると感心させられる。



しばらく進むと内海大橋が見えてくる。 橋の下近辺では数隻の船が釣りをしている。

前回も、釣り船が集まっていたが、その中にガンさんも釣りをしていた。 ちょうどタコを釣りあげているところを見かけた。

そのあと、ガンさんは大変なことになっておられたようだ。





                 





今日もタコやイイダコが上がっているのだろうか。 帰港する途中に、できたら竿を出してみよう。



内海大橋の先には右手に牛の首、その先に矢の島がある。

その2か所に、前回10月10日にはなかった”海苔ヒビ”が浮いている。 これからのシーズン、気をつけないといけない。





                 
               
牛の首とフィッシャリーナ                                              矢の島にも海苔ヒビが設置されている




定置網もそうだが、海苔ヒビの中に突っ込むと自艇の修理以外にも海苔ヒビの保障問題も絡んでくる。

特に夜釣りでのトラブルが多い。



阿伏兎観音下の岩場や石垣では、釣りをしている人がいる。 何を釣っているのだろうか。




                 




走島方面を見ると多くの底引き網漁船が漁をしている。 イワシや小アジを獲っているのだろうか。

一路、ハチカサノ瀬を目指して走る。 今日はハチカサノ瀬がメインになる。 大物が釣れる、青物が釣れる予感がする。



やってきました。 ハチカサノ瀬(下地図@)。





           





前回10月10日にも他の釣り船がいたが、今日も釣り船が来ている。 アンカーを掛けて釣りをしている。

時々、小アジを上げているようだ。 魚探を見ると魚の群れがあまり映らない。 魚が濃くないようだ。




                 
                 
ハチカサノ瀬浮標                             この2艇は瀬の斜面上に掛けているようだ




他の船の間をぬって、なんとか瀬のてっぺんあたりに掛けることができた。 斜面のほうがいいが、今日は仕方ない。

仕掛けを下して小アジが数匹釣れる。 ふと気づくと、海上保安庁第6管区の巡視艇「あさかぜ」がすぐそこにやってきている。

他の3艇は気づいているのか、いないのか、動じることなく釣りをしている。 どの艇もライフジャケットを付けようとしない。

小型船舶に乗っている場合、ライフジャケットの着用義務がある。 慌てて自艇のスタッフにライフジャケットを着用していただく。




                 




周りの3艇は、あいかわらず何事もないように釣りをしている。

その時点では、「周りの船のみなさん、早くライフジャケットを着用したほうがいいですよ、捕まっちゃいますよ」と思っていた。

ところが、ところがである。 なんと・・・、巡視艇「あさかぜ」は自艇へ向かってくるではないか、・・・えっ!・・・なぜ??




                   





周りの3艇は、誰一人ライフジャケットを着用していない。 自艇は全員着用している。 おほめの言葉? そんなことは?

その時、突然、10m先の巡視艇のスピーカーからこちらに向けて異様に大きな声が響いた。

そちらの船の船舶検査証が無いようですが・・・、これからそちらの船に乗船させて頂きます」と。

その時、やっと思い出した。 数か月前、船体検査(車でいうと車検)をした。 その時の検査済証を船艇に貼り付けていないのだ。

車の車検の場合、検査済証は返ってきた車のフロントガラス上部に貼り付けてくれている。

船の船体検査の場合は、自分で貼り付けなければいけなのだ。 あちゃー。 とんだ失敗をしてしまった。

乗船してきた保安官、柳光さんに事情を説明し、検査は受けてパスしていることは、分かってもらうことができた。

反則金は無いものの、後日検査済証を海上保安署へ持参して確認してもらわなければならない。

船の反則金は高額だ。 免許証不携帯でも10万円となっている。 

「検査済証を貼り付けていない場合の反則金は無し」と聞いて、ほっ!  しかし、こんなミスをしていてはいけない。

以後、気をつけよう。 今回の件で、たしかに自分のミスは反省しなければいけないが、

海上保安庁のみなさんは、周りの船のみなさんにもライフジャケット着用を呼びかけるくらいのことはしてもよかったのではないでしょうか。



これから、やっと落ち着いて釣りをすることができる。

魚探に魚影が映ってもあたりが無いこともある。 前回とはかなり様子が違う。 小アジがポツリポツリと上がる。

釣友の一人は、サビキのほかにも投げ竿で餌を付けて釣っている。 小鯛やカワハギ、フグが釣れている。

突然、自分の竿に大きなあたりがある。 ドラグを緩めて対応する。 釣友は玉網を持って構えてくれる。

なかなか上がってこない。 やっと上がってきたのは36cmアジ。 大きさは、さほどでもないが太い。

また、しばらく小アジがポツリポツリと続く。

しばらくして、釣友に大きなあたりがある。 玉網を構える。 しばらくやりとりをしている。

大きくしなっていた竿が急にまっすぐになる。 逃げられてしまった。 船上には、あ〜っ と、ため息が。

それからは、また小アジがポツポツ・・・。

「そろそろ、場所を替ってみよう」ということになり、アンカーを上げる。 この時には周りの船もいなくなっている。





                         





ハチカサノ瀬は大潮の方がいいのだろう。 ここだけではなく、それはイイダコ以外の釣りに言えることかもしれないが・・。

13:00過ぎ、「内海大橋の辺りに移動して、イイダコ・コウイカを狙ってみよう」と移動を始める。

阿伏兎観音を通過し、阿伏兎本館の前石垣には釣り人がいる。 本館前ではボートで釣りをしている。

対岸にもボートが出ている。 この時季このあたりでは何が釣れているのだろう?

落ちギス? ギザミ? いやもうカレイが上がっているのだろうか。



           



しばらく走り、内海大橋に近づく。



                         




しばらく走り、内海大橋の下を通過する。 すぐスロットルダウン。 やや右方向へ(上地図A)。

このあたりはイイダコポイントだ。 13:30、さっそくイイダコの仕掛けを付ける。 

さらに、みんな申し合わせたようにイカ用の餌木もセットする。 この辺りはコウイカも釣れるらしい。 




           
    
上地図Aポイントから本土側を見る              上地図Aポイントから「カフェ59」を見る               上地図Aポイントから内海大橋を見る




ここAポイントでは、イイダコの良型が上がる。 それに混じってコウイカの良型も上がる。

釣友はコウイカの良型をダブルで海面まで上げ、目の前でばらしてしまった。

30分ほど頑張る。 釣友の「向こう側にコウイカがメインのポイントがある」の言葉に、その「向こう側」に移動することにする。



14:00、上地図Bポイントで、イイダコ仕掛けと餌木仕掛け両方を付けた仕掛けで釣り始める。 

1時間近く粘る。  ポツリポツリとイイダコの良型が上がる。  コウイカの良型も少し上がる。

15:00、あたりがやや低調になる。 釣りは終わりの雰囲気になる。

納竿とする。 今日は小潮だったので、釣果は伸びなかったようだ。 潮の動きが悪かった。



                                   今日の釣果


         
           
コウイカ5杯、イイダコ5杯、小アジ25匹、アジ36cm1匹、小鯛10匹、ギザミ1匹、カワハギ1匹




マリーナへ帰港の連絡をし移動を始める。 イイダコもスミを吐くが、コウイカのスミはすごい。

イイダコの何倍もの量のスミを吐く。 釣り座が真っ黒になるほどだ。

帰港後、クレーンで上架し、エンジン内部を真水で洗浄し、タラップを付け荷物の整理と魚の仕分けをする。




           
       
クレーンで上架                            エンジン内部の洗浄                    タラップを付け荷物と魚の仕分けを




                             今日の釣魚料理



                               今日、頂いて帰った魚たち



                 



さっそく料理にかかる。 今日も簡単料理にする。 36cmアジは、うろこと内臓・えらを取って、塩を振り塩焼きにする。

普通のアジは、まず3枚におろして、カルパッチョにする。



                        




                       アジとトマトのカルパッチョ(バルサミコ風味)

                 




                              36cmアジの塩焼き

                 




焼きすぎた大アジとカルパッチョをつまみながら、今日の釣りを振り返る。 11月中、大潮の日にもう一度リベンジしてみたいものだ。

潮がよければ、まだまだ上がりそうな気がする。 今日はご苦労様でした。


                                     hobbypageへ