今年最後の釣り  111229


厳しい寒さが続いているが、今年も良い釣りをして1年を締めくくりたい。

そろそろ寒さが緩んでくるころだろうと、12月29日(木)を今年最後のボートフィッシング出港日に予定していた。

都合がつく釣り友3名と出港することになる。 9時にマリーナへ到着すると、釣り友のみなさんも、ぼちぼち到着している。



                

                                                     今日はボートが少ない、どうして?



今、マリーナの桟橋はリニューアル工事が終了に近づいている。

桟橋には多くのボートが元の位置に係留されているはずだが、今日はボートが少ない。 多くのボートが出港しているということだろうか?


さて、出港準備をしよう。

マイボートは下架用クレーン近くに運ばれてきている。 フロントに行って、預けているキーを受け取る。 



                



ボートをクレーン下に運んでもらったところで、いつものようにビルジ抜き作業をする。 

釣り後の洗浄時の水や雨水がどこからかわからないが入り込むようだ。 このビルジが気になり毎回出港時には抜くようになった。

ビルジは少々であれば航海には関係ないようではあるが・・・。



                          
                                     
ビルジを抜く



ボートをクレーンで海面に下したところで、燃料を給油する。 いつものことだが給油の終わりに燃料が給油口から少し噴き出す。

これは、どうにもならないのだろうか? 原因は2つ考えられる。

@ 燃料が満タンになると、自動制御装置がそれを感知し燃料補給を止めるが、船の場合そのセンサーの精度が良くないのだろうか。
 船の場合、燃料タンク容量が数百リッター〜数千リッターと大容量になっている。車の場合、数十リッターと少ない。
 このように船は容量が大きいので敏感なセンサーでなくてもよいことになる。 満タンを感知してもタンクが大きいのでゆっくり止めて充分間に合う。
 しかし、マイボートのタンク容量は200リッター。 ボートにしては小さい方である。 満タンを感知したらすぐ止まってくれないと噴き出してしまう。
A 海面の波でボートが揺れていることに関係しているのだろうか。
 揺れている海上では、満タンになって給油を終わっていても、タンクの中の気泡などが揺れで移動し噴き出しそれと一緒に燃料が出てくるのだろうか。

原因としては、Aの方ではないかと思う。 どちらに原因があるにしても給油終了後すぐにキャップをすればいいのだが、それまでに噴き出すことが多い。

噴き出した燃料を取り除く対策として、中和剤を給油口周りと海面にに散布し、燃料のオレンジ色(実はガソリンは着色してあるのです)を取る脱色剤を散布する。

この日も、溢れた燃料を処理する。



                
            
     給油表示盤は48リッターに                                      冬場はエンジンが温まるまでに時間がかかる



そして、エンジンを始動する。 冬場のエンジンは良く冷えている。 タンクからのポンプを手動で動かし燃料を送る。

さらに、チョークを閉じて濃い混合気が入るようにし、さらにアクセルレバーを倒し混合気が多めにシリンダへ送られるようにしてセルを回す。 

でも、一発では始動しない。 2〜3回目に始動する。 始動すると、いきなり3000〜4000回転になる。 

冷えているエンジンをいきなり高回転にすると良くないからと回転を落としすぎると冷えているエンジンは、すぐにストップする。

エンジンを止めない程度に回転を抑え、温まるまで動かすのはけっこう難しい。 暖機運転を数分間行うとエンジンは温まる。

クラッチをつなぐとペラが回転する。 回転を上げるとエンジンに普段はない小さな振動がある。

エンジン内にオイルがよく回っていないようだ。 良く温まるまで回転を抑え気味にして出港する。



                
        
             この2艇が気になる                                                 やがて内海大橋が見えてくる


出港時、マリーナ内のいろんなボートが気になる。 この2艇は・・・? 

手前は、太平洋でカジキマグロを狙ってトローリングができる外洋仕様のボートだ。  自分が太平洋でトローリングしているような気分になる。

向こう側、このようなクルーザーで何日かかけていろんな港を巡ってみたいものだ。

と、前を見る。 そうだ、左(東方向)へ行かなくては。 しばしの空想タイムから我に返る。 左へ針路をとる。

しばらく走ると、内海大橋が見える。 すでに釣りをしている船が見える。

釣り船を気にしながら橋の下をすり抜け、しばらく進む。



                          
                                 
クレセントビーチとフィッシャリーナ



右手に、フィッシャリーナが見える。 ここは、ジェットスキー(水上バイク)のメッカになりつつある。

備後地方の多くの若者が年中ジェットスキーをしている。 本当に年中である。 冬でも見かける。

先日、ジェットスキーをしている人に聞いた。 「冬でもできる?」と聞くと「できないのは1月と2月だけ」という返事に感心した。



少し走ると、阿伏兎観音の前を過ぎて燧灘に出る。 

今日最初のポイント、ハチカサノ瀬を目指して進む。 不思議なことに今日は大きな波長の波というかうねりがある。

うねりを越えながら、やってきました。 @「ハチカサノ瀬」ポイント。



              



@ ハチカサノ瀬(9:50〜10:40)
 
 水深約26mの海域を進んでいると海底に浅瀬がある。 浅瀬は水深が18m程度。

 そのてっぺんではなくて斜面にボートの位置が来るようにアンカーで止めて掛かり釣りをしてみる。

 魚探の反応は良くない。 何も映っていない。 あたりもない。



                
                 
ハチカサノセ浮標                                                 ハチカサノ瀬から走島を見る



 まったく釣れる雰囲気がない。 こういうときは諦める方が良い。 さて次は、冬場のキス狙いに笠岡沖の高島に行ってみよう。

 その高島に行く途中に、昔(2007年ころまで足繁く通っていた)よく行っていた「シロダシ」というポイントがある。

 久しぶりにシロダシに行ってみよう。

A シロダシ(11:00〜11:20)

 ここも、シロダシの浮標がある。 この浮標を基準に山立てをしてポイントに船を掛ける。

 シロダシポイントは2か所ある。 

 一つ目は、浮標のすぐ南にある。 二つ目は、浮標が沼隈の山並みの右にかかるくらいの位置で南下していると魚探に7〜8mの浅瀬が現れる。

 今日、ここの一つ目のポイントには漁師さんの網がポイントを囲むように仕掛けてある。 釣りはできない。

 ここの二つ目のポイントを探すと、久しぶりだがすぐに見つけることができる。 アンカーを出して掛ける。 水深は8m。

 魚探を見ると、底は荒い岩場のようだ。 釣れそうな雰囲気がする。 それからすぐ他の船がひとつ近くに掛けて釣りを始める。

 他の船も来るということは、このポイントは最近釣れているということか。 期待を込めて竿を投入する。

 しかし、釣れない。 場所を少し移動する。 手のひら大の鯛が2枚釣れる。 しかし後が続かない。

 場所を移動しよう。 冬場のキスポイント高島の西側へ行ってみよう。

B 高島西側石切り場前(11:40〜12:40)

 やや風が出て波も立ってきた。 雨も混じっている。

 高島に近づくと気を遣う。 このあたりは極端な浅瀬がいろんなところにある。 白石島以南の島々にはよく行っているがこの高島には最近来たことがない。

 雰囲気で浅瀬の位置を憶えているくらいで、はっきりと「浅瀬がここにある」という認識がなくなっている。 進行中「ガリッ」「ゴン」と音がしたら終わりだ。



                
          
鳥島、その周りにも小さな浅瀬や岩礁帯がたくさんある                                          百間ゾワイ灯台



 他の船の進路なども参考にしながら魚探の水深を見ながら慎重に進む。

 やっと石切り場前に船を掛ける。 ここは陸から投げてもチョイ投げで釣りができるようなポイントだ。



                          
                                    
石切り場の前に船を掛ける



 情報によると、1月の初釣りにも良型のキスが安定して釣れるポイントらしい。 1時間近く粘るが、キスが2匹のみ。

 陸方向に向かって投げていたスタッフ一人が良型のキス2匹を釣りあげた。 ここもずいぶん渋い釣果になった。

 しかし、真冬にもキスが釣れることは確認できた。 さて、場所を替ることにする。

 マリーナ方向へ向かって移動するが、途中もう一度ハチカサノ瀬に寄って様子を見ることにする。

 移動を始めると波と風が気になる。 ちょうど移動する方向から向かい風が吹きつけている。



                



 西に移動しているが、西風がますます強くなっている。 フロントガラスには雨と波しぶきが吹きつけている。

 波も大きい。 フロントガラスのワイパーが活躍している。 午後からは、いくらか風が出ることは予想していたが現状は予想を大きく超えている。

 こういう状況の中でスタッフが4人というのは心強い。 一人だとずいぶん心細いだろうと思いながらハンドルを握っている。

 しかし、いくら4人でもボートがひっくり返ってしまっては、どうしようもない。 

 そうならないために波に直角に入ることと、スピードを出しすぎないことに気を付けて進む。

 間違っても波と船体が平行になるとまずい。 しかし、この不安な気持ちも短時間で済んだ。 走島あたりまで来ると風と波は弱くなる。

 やや南へ針路を取りハチカサノ瀬へ向かう。



              



C ハチカサノ瀬(13:00〜13:20)

 またまたやってきました、ハチカサノ瀬。 しかし、魚探を見ても何もない。 アンカーを掛けないで流してみる。

 釣れない。 しばらく頑張るが、やはり釣れない。 移動することにする。

 この移動は先ほどのようなことはない。 風も波も穏やかで移動しやすい。

 快調に燧灘を走りぬけ阿伏兎の瀬戸に入る。



                
                 
阿伏兎観音前通過                                                阿伏兎の瀬戸で見かけた虹



 阿伏兎の瀬戸に入り少し走ると、右手に虹が見える。 雨上がりの虹だ。 これは縁起が良い。

 最後のコウイカ・イイダコポイントで大漁になるのか。 

D 内海大橋の西(13:50〜15:30)

 内海大橋の西側のイイダコ・コウイカポイントに着く。 ここでは、アンカーを掛けないで流してみる。

 ここでの仕掛けは、下にイイダコ仕掛けその上40〜50cmにコウイカ用の餌木を付けて釣る。

 イイダコ仕掛けに良型のイイダコがポツリポツリと上がってくる。 「どんどん」ではない、「ポツリポツリ」と上がる。

 船は田島側の阿伏兎瀬戸を西から東へ流れる。 内海大橋に近づくとまた元の位置へ戻り内海大橋方向へと流す。



                
              
流し始めの位置から田島を見る                                             内海大橋の方へ流れていく



 水深10m〜20m位のところを流していく。 イイダコだけ釣れる。 11月には、コウイカも混じっていたが今日はイイダコしか釣れない。

 しかし今日のイイダコは良型だけ上がってくる。 このくらいの型になるとタコの中にイイ(飯)があるのではなかろうか。



                



イイ(飯)は、米粒のようにみえるイイダコの卵だが、それがご飯のように見えるからイイダコという名称になったらしい。

冬になるとイイが入り始める。 しかし、そのころからなかなか釣れなくなってくるので、イイをたくさん持っているイイダコはほとんど釣れない。

今日は寒い。 時々、小雨が降り風がある中での釣りは応える。 だんだん会話も少なくなる。



                          



そのうち、釣れない時間帯が続くと、納竿の雰囲気になってくる。

マリーナへ帰港予定時刻を連絡し釣りを終える。 エンジンを始動しアンカーを上げる。 

キャビンに戻るとスタッフの一人が、みなさんに温かい飲み物を配っている。 「おっ、これはありがたい。 ありがとうございます」

熱くて飲めないほどの飲み物がちょうどいい。 みなさんは、両手で、熱い紙コップを持っている。 冷え切った両手がほど良く温まる。

マリーナへ移動し始める。 キャビン内では、熱いホットティーをすすりながら、今日の反省会が始まる。

釣果は、決してホットではないが、釣りは釣果だけではないのだ。 

「こうして1日、海の上で仕事を忘れてのんびりすることが釣りの醍醐味なのだ。」という結論になる。

まったく、その通りだ。 しかし、釣れない日はいつもこのような話になるのだが・・・。



                



右手に(株)常石造船を見ながら西へ進む。 どの船も船尾に船籍が表示されている。 やはりパナマ船籍が多い。 

世界の貨物船の20%以上がパナマ船籍らしい。 パナマの税制上の利点を利用し運送コストを少しでも安く抑えて利益を得ようとするためらしい。

そのため多くの船が(日本の船も他国の船も)、パナマ船籍を取得するらしい。

パナマは便宜置籍船制度を利用して他国に船籍を売ることで、利益を得ているとか。 海上運送の世界も、いろいろあるようだ。

しばらく走ると、マリーナが見えてくる。 帰港予定時刻通りだ。



                          



いつも思うことだが、ここのマリーナはクレーンの下に入港するのが難しい。 柱に接触しそうで気を遣う。

いつか慣れるのだろうか。 マリーナのスタッフの方が桟橋まで出てくれている。

入港が難しいということは伝えてはいないが、いつも難しそうに操船しているので、察して下りてきてくれているのだろうか。

無事、入港。 荷物はそのままでスタッフ全員下船する。 いつものようにクレーンで陸上へ上げてもらうと同時に真水での洗浄が始まる。



                



マイボートが、所定の位置へ運ばれると、スタッフのみなさんで釣果の仕分け、ゴミの処分、荷物の運び出し、エンジンの洗浄と分担して作業は進む。

すべて終了し、本日の釣りは終了。



                  
                               
今日の釣果(良型イイダコ12杯、鯛2枚、20cm級キス2匹)



今回の釣果は寂しいものになった。 次回に期待しよう。



                                  今日の釣魚料理


今日いただいた釣果はイイダコ4杯。 まず、塩でもみながらヌメリをとる。

今日のイイダコは大きいので、頭を裏返して内臓とスミ袋を取り除く。(いつものイイダコはヌメリを取って料理に使う)

そして塩を少々入れて茹でる。



                
             
     塩もみをしてヌメリを取る                                               内臓とスミをとり、茹でる



茹ダコ1杯を刺身にして食す。 



                          
                                       
茹タコの刺身



茹ダコ残り3杯は、後日「煮もの」と「おでん」に使うとしよう。


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