120109
西高東低、冬型の気圧配置が続いている。 午前中は風や波が無くても昼ころから決まって風が出てくる。
例年だったら、釣り人もまばらな時季である。 だが、今年は興味深い情報が聞こえてくる。
「笠岡の神島沖でタチウオが絶好調!」 「笠岡の高島周りで冬場でもキスの数釣りができる」
「尾道の向島沖でコウイカが釣れている」 「因島沖でタチウオが釣れている」 「弓削島沖でタチウオとアコウが釣れている」等々。
これらの情報が耳に入ると、この3連休、出港しないわけにはいかない。 釣友に連絡し2人からOKの返事が届いている。
今日は3名での出港になる。
現在、お世話になっている境ガ浜マリーナから出かけるとすれば、尾道・向島・因島辺りが適しているが、ポイントが良く分からない。
たくさんの船が出て船団ができていればポイントは分かるのだが・・・。 どうも気が進まない。
やはり東方面が気になる。 今日は、いつもの「ハチカサの瀬」 と前回、試釣した「高島」、それと良い情報が聞こえてくる「神島」へ行ってみよう。
マリーナから見る海はとっても穏やかだ。 9時の時点では風も波も全くない。
穏やかな海
いつものようにボートを海面上に下架する。 そして燃料補給。
今日は、50㍑弱の燃料補給で済む。 しかし、いつものように給油を終えてキャップを閉めるまでの僅かの間に燃料が溢れてしまう。
燃料中の気泡の関係だろうか? ぎりぎり満タンにしない方が良いのではないだろうか。
給油口周りを洗浄し、溢れた燃料の処理のため海面上に中和剤を散布する。
今日は、3名での出港になる。 マリーナの桟橋リニューアル工事が終了し、それぞれの桟橋にボートが戻ってきている。
冬場はエンジンが、よく冷えている。 しばらく低速で回転させながらマリーナを出港する。
桟橋に戻ってきているボートに目が行く。
マリーナを出ると、東へ針路をとる。 すぐに、マリーナと隣接している(株)常石造船のドックが見える。
ドックから大型貨物船が出ているように見える。 タグボート数隻が大型貨物船を引っ張ったり押したりしている。
それにしても、ここのドックはいつ見てもほとんど船が入っている。 仕事のレベルや営業努力が高いのであろうか。
知人がこの(株)常石造船に関係しているが、よく中国の造船所に出張すると聞く。 忙しいようだ。
廃業に追い込まれている造船関連企業が多い中で、良く頑張っておられる。 応援したい気持ちになる。
(株)常石造船といえば、数ヶ月前、平日の正午から放映されているタモリさんの番組で話題になっていたのを憶えている。
「♫ おひるや~すみ・・・ウキウキ・・・・」で始まるあの番組だ。 名前は忘れたが、ある女性タレントが「先日、進水式に出席してきた」とのこと。
タモリさんが、そこを詳しく聞いていた。 その女性タレントは、常石造船で行われた進水式でテープカッターを務めたそうである。
常石造船のHPを見ると、進水式に出席してみたい人の希望を受け付けているようだ。 全く船とは関係ない人でも出席させてもらうことができるそうだ。
自分は、マイボートの進水式を3回ほど、釣り仲間数人でおこなったことはあるが、数万トンクラスの船の進水式に出席した経験は、もちろんない。
日時が合えば出席させてもらいたいものである。 みなさんもどうですか?
出席された人の話によると、人生観が変わるほどの感動があるそうです。
東へ走っていると、やがて内海大橋が見えてくる。 釣友が「昨日このあたりでガンさんの釣り船を見かけた」とのこと。
ガンさんとは『ガンさんの釣りバカ日誌』というHPを管理されている方だ。 ガンさんとお会いしたことはない。
しかし、HPはいつも拝見させてもらっている。 いつも近場で、確実な釣果を得て、それをプロ顔負けのおいしい肴に調理されている。
我々にとって、ガンさんはあこがれの釣師というところか。
今日も内海大橋の下では、5~6隻の船が釣りをしている。 タコ? コウイカ? カレイ?何が釣れているのだろうか。
阿伏兎瀬戸をさらに東へ走る。
阿伏兎観音前を通りすぎると、燧灘へ出る。 針路を南東へとる。 阿伏兎瀬戸と比べると海面はやや波がある。
10分ほどでハチカサノ瀬に着く。 釣り船はいない。 ということはあまり釣れないということか。 魚探にも魚らしい反応はない。
ハチカサノセ浮標
① ハチカサノ瀬
さっそく、サビキ仕掛けを下してみるが、反応がない。もちろんあたりもない。
他の釣り船はいないが、今日は近くを大きな貨物船が通過していく。
シロダシ浮標のすぐ南を通過する貨物船 走島の西を北上する超大型貨物船
走島方面を走っている超大型貨物船はJFEに鉄鉱石でも運んでいるのだろう。 しかし、方向が違うのではないか。
北上して仙酔島方面へ向かっている。 どう見ても方向が違う。 やがて仙酔島手前でストップ。 しばらく待っているとJFEから先導船が来る。
やがて、超大型貨物船はその先導船の後を進んでいく。
瀬戸内海のような多島海で、しかも浅い海となると喫水の深い大型船にとっては操船が難しいことだろう。
そのため海外から来る大型貨物船のためにJFEの沖合には海底を浚渫した通路をつくっている。
その通路の場所を示すために両側に緑と赤の浮標を設置している。 釣船でも、その部分を通過すると魚探等で水深の変化を確認することができる。
ハチカサノ瀬で30分ほど粘ってみるが、まったく釣れない。 ここは諦めよう。
② シロダシノ磯
東へ移動し、シロダシの磯へ。 シロダシノ磯に移動する頃から風が出てくる。 かくれ磯の斜面にアンカーを掛けようと2回打ちかえる。
10分ほど粘るがまったくあたりが無い。 途中、見かけたことのある船が近づいてきた。
「釣れますか?」と声をかけてくる。 「だめです、釣れません」と返す。 本当にまったくあたりがない。 釣れない。
この船は、ネット上、どこかのHPで見かけたことのあるボートだ。 なんて名前のHPだっけ? わからない。
冬のキス釣り場、高島に移動しよう。 かなり波が高くなる。
③ 高島
かなり波が高い。しかも、潮が速い。 アンカーをかけてもボートが流される。 底は砂でところどころにゴロタ石があるようだ。
釣りにくい。 一帯の水深は10mあまり。 ここは冬場のキス釣り場でギザミも良く釣れるらしい。 しかし、今日は釣れない。
高島西側の石切り場
ポイントから見る百間ゾワイ灯台 ポイントから見る鳥島
潮の流れが速い。 2回ほどアンカーを打ちかえる。 やっと20cmのキスが釣れる。
普段であれば、1匹釣れると「よーし、釣れるぞ、もっとがんばろう」となるはずだが、今日は違う。 さっさと移動する。
神島方面へ移動してみよう。 タチウオを狙っている船団がいるかもしれない。
④ 明地島東
神島方面へ移動するが、タチウオの船団がいない。 それどころか1隻も船がいない。
かろうじて明地島東に2つの船が何かを釣ろうとしている。 釣っているのではない。 釣ろうとしている。
他の船の様子を見ながら、しばらく竿を出す。 他の船も何も釣れないようだ。 こちらの船も何も釣れない。
移動しよう。 白石灯台の周りに行ってみよう。
⑤ 白石灯台周り
明地島から白石灯台までは近い。 しかし、このポイントも流れが速い。 しかもこの灯台周りの海底は急傾斜になっている。
水深が数mから40m近くまである。 潮流に少し流されるだけで水深が急激に変化する。 とても釣りにくいポイントだ。
この奥に白石島の港がある 白石灯台の周りでは数隻の船が釣りをしようとしている
他の船も釣りを試みているが、速い潮流の関係でなかなか釣りにならないようだ。
しばらく粘って時間が経過すれば、潮がゆっくりとしたものになってくるかもしれないが、今日はもう1か所試してみたいところがある。
移動することにする。 内海大橋目指して西方向へ移動を始める。
それほど波はない やがて右手にJFEが見えてくる
風はあるが、それほど波はない。 30ノットは出ないが、それ近くは出ている。 JFEの前を通過しさらに西へ。
仙酔島 鞆の浦の町なみ 鞆港 阿伏兎観音
船内では、陸側を見ながら話が弾む。
白石島からやっと仙酔島まで戻ってくる。 仙酔島の国民宿舎が見える。 また時間のあるときに、ここの温泉にでも行ってみたい。
鞆の浦の町なみが見える。 この写真の左端に和風旅館「おちこち」が見える。 ここの宿の露天風呂からは弁天島が真正面に見える。
鞆港、長年の懸案である架橋問題はどうなるのだろうか。
等々話が続いている。 やがて阿伏兎観音が見えてきた。 ここから阿伏兎ノ瀬戸に入っていく。
やがて内海大橋が見えてくる。
⑥ 内海大橋西
内海大橋の下を通過ししばらく進む。 田島側を見ながら進む。 道路わきの斜面にブロックが積み上げてあるあたりから内海大橋方向へ流す。
この辺りから流し始める 内海大橋方面へ流す
この辺りで水深10~15mくらいのところを流してみる。
1時間ほど頑張ってみる。 イイダコが4杯釣れる。 さすがにこの時季のイイダコは良型だ。
今日は所用の関係で、午後3時までに上陸しなければならない。 4杯釣れたところでタイムアップ。
マリーナへ上陸の連絡をとり、エンジン始動、アンカーを上げる。
(株)常石造船まで戻ってくると、やはり船が気になる。 いろんな船籍がある。
マリーナへ帰港すると、すぐボートを上架してマイボートの場所へと移動してもらう。
マイボート上架中 マイボート所定の場所へ移動中
ボート・エンジンの洗浄、ごみの処理を終える。 今日の釣りは、良くない。
次回は向島・因島・弓削島・生名島など西方面のポイントへ行ってみたい。 新しく西方面のポイントを研究してみよう。
今日の釣果
イイダコ4杯、キス20cm1匹
今日、いただいた釣果(キス1匹、イイダコ2杯)
さて、今日はどんな料理にしようか。
まずキスからとりかかる。 キス1匹は「ムニエル」ではなく「塩焼き」にしよう。
① 内臓をとり、うろこをとる。
② 塩を振り小さなフライパンで焼く。
1匹だけなので小さな卵焼き用のフライパンで焼く 一応、完成
次に、イイダコ。
大きなイイダコなので、内臓とスミ袋を取り除く。 イイは残しておく。 下処理を済ませ茹でる。
茹であがったイイダコ イイダコの足2本を小さく切る
今日のイイダコは、大阪風お好み焼きにしよう。
① 茹であがったイイダコの足2本を小さく切る
② お好み焼きの生地にイイダコを入れてかき混ぜる。
③ しばらく焼く。
④ 青海苔と鰹節をかけて出来上がり。
生地に足も混ぜ込む 焼きあがり
完成
先日、小型船舶免許の更新講習を受けた。 日頃、自分の船舶免許をじっくり見ることもないので、免許の効力についてもよく知らなかった。
更新講習で免許証の内容や免許所有者の遵守事項で気付いたこと
○ 免許証の内容について
① 1級免許について、80海里以上の遠洋に出る場合は機関長を乗船させなければならない。
(海外に行く場合にのみ機関長を乗船させるものと勘違いしていた)
② 「特殊」について、平成15年6月以降の免許証取得者は水上オートバイは運転できない。
(自分を含め船舶免許証を持っている人すべて水上オートバイは運転できるものと勘違いしていた)
③ 「特定」について、旅客船や遊漁船など人の運送をする船の船長をすることができる。
(自分に旅客船等の船長の資格があるということは知らなかった)
○ 免許証所有者の遵守事項について
① ライフジャケットの着用については次の場合に義務付けられている。
ア 水上オートバイに乗船している時
イ 12歳未満の子どもが乗船している時
ウ 一人で乗船して漁労に従事している時
(乗船する場合は、フルタイムで着用義務があるものと思っていた)
② 自己操縦について次の場合は直接操縦しなければならない。
ア 水上オートバイに乗船する時
イ 港の区域を航行する時
ウ 海上交通安全法に定められた航路を航行する時
(最近は、海上ではすべて自己操縦しなければならないものと思っていた)
③ 飲酒について、小型船舶操縦者は酒酔い等の状態で船舶を操縦し、または操縦させてはいけない。
(船舶操縦中は、少々の飲酒はOKなのかと思っていた。全く駄目ということらしい。)
船舶免許証は、頻繁に改訂されている。更新講習を受講すると、いろいろ新鮮で興味深い内容がある。
今後の釣行や海のレジャーに役立てたい。