上下ひなまつり    120219



今年も上下町のひなまつりが行われる。 今年は第7回を迎える。

この時季になると「上下のひなまつり」というイメージが浮かんでくる。 

ということは上下町のみなさんの町おこし行事としての取り組みが浸透してきたのだろうか。 

そのひなまつり期間が始まっているのかどうか分からないが、午後出かけてみる。

上下町に入ると路肩に残る雪が気になる。 アイスバーン状態になっている所もある。

なんとか無事に町中に辿りつくことができた。

メインの通りには、ひなまつりの幟が立ててある。 もう、すっかりひなまつり期間のようだ。




                




掲示してあるポスターを見ると、ひなまつり期間は「2月18日から3月25日」とある。

昨日から始まったらしい。 メインの通りは、ひなまつり目当ての人たちがそれぞれ散策している。




                  





まず、車を停めよう。 広島銀行上下支店の駐車場が開いている。 

今日は営業日ではないはずだが、駐車場はオープンにしてある。 このひなまつり期間中は駐車場を提供して頂いているらしい。

停めさせていただく。 広銀さんありがとうございます。




                              
                                  上下教会前、積雪があり凍結している




メイン通りに出ると路面は凍結している。 これは気をつけて歩かないと転倒しそうだ。

実際、滑って転倒している歩行者や自転車を目撃する。


この通りに面した店舗や民家などに、新旧織り交ぜたさまざまなひな人形が展示してある。




                




                




上下歴史文化資料館(旧岡田低)へ入ってみる。 

ここは、明治の文豪、田山花袋の小説「蒲団」のヒロインモデルとなった岡田美知代の生家である。

この建物は明治初期に建てられた木造建築の二階建てで、現在は改築され上下歴史文化資料館として利用されている。

資料館には田山花袋と岡田家にまつわる資料が展示され、田山花袋が泊まった二階の客間は現在も当時のまま保存されている。

上下ひなまつり期間中、1階ホールの企画展示場には多くのひな人形が展示してある。




                




資料館を出てメイン通りを歩いていると上下画廊がある。 ここでは、よくコンサートやライブが行われる。

ここで演奏するミュージシャンのみなさんの名前を聞いて、いつもびっくりする。

山下洋輔(ピアノ)、日野テルマサ(トランペット)、グラシェナスサーナ(歌手)・・・・・・等々、世界で活躍している人たちばかり。

このような人たちのライブが、なぜ上下のようなところで? (上下のみなさん、失礼しました)

やはり上下というと田舎というイメージがあったもので・・。 しかし、今日上下画廊のママさんのお話を聞いて納得した。

上下画廊では、いつもコンサート会場になるホールの四面と中央に所狭しとひな人形が並べられている。

見学に来ている人が「どうしてひな人形なんですか?上下は昔から、ひな人形の産地だったのですか?」と質問した。

その質問に対してママさんの答えは「いいえ、違うんです。」

「私がこの町に来た○十年前、この町は死にかけていたのです。何かの方法で町おこしがしたくて考えられたのがひなまつりだったのです。」

「昔、特産であったのかもしれないけれど、この町をなんとか元気にしたいとみんなでひな人形を集め町おこしに利用したのです。」

町を再生させたいという熱い気持ちで上下ひなまつりが展開しているということだ。

ママさんの上下画廊で世界的な有名人がライブをするのもその町再生の熱意に賛同してのものかもしれない。

上下町では他にも「案山子祭り」「アヤメ祭り」・・・等々、たくさんの町おこし行事が行われている。

見習いたい町や村がたくさんあるようだ。




                  




ひな人形とひな祭りの雰囲気を堪能したあとは、お茶でもしようか。 上下画廊の一軒おいて隣に指物濱一(さしものはまいち)がある。

ここは現在、「濱一」という暖簾が掛けてあり手づくり家具・古家具の展示場になっているが、昔は造り酒屋を営んでいた旧田辺邸である。

この建物が上下の町で最も古い建物らしい。 通りに面した部分より奥に長く建てられている。

建物の裏を流れている上下川からこの屋敷を見ると、表通りの佇まいとはまた別の顔を見せている。 

上下川に専用の橋をかけトロッコのレールを敷き酒の出荷をしていたそうだ。 建物の中にはレールが今も残っている。

展示場の奥にカフェスペースがある。 何年振りだろうか。 入ってみる。




                
                 
家具展示場「濱一」                                      家具展示場に入って、格子窓から眺める通りも雰囲気がある




奥のカフェでお茶でもしよう。 久しぶりに訪れるカフェは昔と変わっていない。 冬バージョンで薪ストーブが置かれている。 

古い建物とカフェのテーブルとイスがうまく合っている。 カフェから見る純和風の中庭がまたいい。

さっそく、このカフェの雰囲気を画像に残しておこうとデジカメを取り出していると、「すみません、撮影はご遠慮ください」と。

『ここはそうだったっけ?、残念』と思いながら、「あっ、すいません」と言うと、「中庭は撮ってもらってかまいませんよ」とのこと。

雪化粧した中庭を撮影させてもらう。




                




テーブルの上には温かい「おしるこ」がやってきた。 カフェの中にも造り酒屋時代の面影を残すトロッコのレールがあり興味深い。

古い建物旧田辺邸の中、さらに奥にあり、撮影もできないカフェは、まさに「大人の隠れ家」といった雰囲気だ。

中庭を見ていると、はるか昔にタイムスリップしたような不思議な感覚になる。 ここでの「おしるこ」と「塩昆布」もまたいい。

「濱一」を出て、上下川に架かる翁橋を渡りしばし散策をする。 餅花ひとつを購入する。

ひなまつりの雰囲気を楽しみながら、のんびりできた3時間でした。



この「上下ひなまつり」は3月25日まで。 

3月3日(土)、4日(日)には「でこ市」。 3月17日(土)、18日(日)には「手創り市」などのイベントもあるそうです。


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