ROTI  HARAPAN           130616



知人が3月からパン屋さんを始めた。 退職後、自分の実家である神石高原町に天然酵母のパン屋さんを開業している。 

案内は頂いていたがなかなか訪れることができていない。 今日は、午後から行ってみることができそうだ。 

場所は、神石高原町牧だと聞いている。 しかし、詳しい場所がよく分からない。

HP「ロチ ハラパン」のアクセスページで確認する。 地図を見ると、「あのあたりかな?」という感覚でしか分からない。

まあ、いい。 出かけてみよう。



先ず、上下方面へ走る。 上下の市街地へ入る信号機(上下代官所跡近く)を右折する。

さらにしばらく走り、神石高原町方面へ左折する。 道なりにしばらく走る。

神石高原町牧の標識を見かけると、道路沿いの商店に入り、「ロチ ハラパン」の場所を尋ねる。

地元の方もよく知っているようだ、この質問には何度も答えているように教えていただく。

「この道を、もう3~4kmほど走ると、そのパン屋さんの幟が立っているから、そこを左に少し登ったところですよ」とのこと。

神石高原町らしい景色の中をしばらく走る。 3kmあまり走ると、道路沿いにある、ある! 確かに「ロチ ハラパン」の幟だ。

この幟は、営業日だけ立てているとのこと。 「今日は日曜日だから営業日だろう」とやって来たのだから当然か。

幟の近くを左折すると登りの道が続く。 登り切ったところに古民家風の「ロチ ハラパン」があった。



近くに車を停め、「ロチ ハラパン」の庭に上がってみる。 眼前に田園風景と遠方の山並みが広がっている。

神石高原町ならではの景色だ。 普段、このような目の前の景色と遠方の景色を同時に眺める機会はない。

こんな景色を毎日長時間眺めていると、だんだん進んでいる老眼の症状も回復してきそうな気がする。






                  
                            
「ロチ ハラパン」の庭から見る神石高原町牧の田園風景





店主(知人)が出て迎えてくれる。 久しぶりに会った店主は、生き生きとして若々しく見える。 店内へと案内していただく。

すでに15時近くになっている。 「パンは、もう売り切れかな?」と心配したが、まだ数種類のパンは残っている。






                          






この店のコンセプトが紹介された張り物も掲示してある。






                






店主の説明を聞きながら、パンを購入する。 せっかくだから、我が家のご近所にもパンをお裾分けして「ロチ ハラパン」をPRしよう。






                  
                   
ごまとひまわり                                                ベリーチーズパン





ごまとひまわり
玄米酵母。 シンプルなパンですが、ごまがたぁっぷりの風味ある生地にざくざく入ったひまわりの種が素朴なおいしさを引き出してくれます。
噛めば噛むほど味わい広がるパンです!

ベリーチーズパン
玄米酵母。クランベリー、レーズン、カレンツ、カシューナッツを入れた生地でクリームチーズを包んだスティック状のお手軽パンです。
片手で食べながらコーヒーなんて飲んじゃったり♬
HP「ROTI HARAPAN」より



続いて、古民家の内部を案内していただく。  

至る所に、昔の農作業に使用された農機具や雪の多い地域特有の履き物など珍しい昔の生活必需品が置かれている。

まさに、神石高原町民俗資料館の展示物を見ているようだ。

他地域から訪れた人たちや若い人たちには、これらのものが何か分からないだろうなあ。 分からなければ当然その価値も分からない。

せっかくの歴史や文化のある珍品に簡単な説明と名称を付けてあるといいなと思う。

展示されているものから当時の神石高原町のみなさんの仕事や生活が偲ばれるのではなかろうか。






                
         
    手動で米など穀物の実と殻を分ける農機具かな?                                    雪の多い地域の履き物かな?





店に隣接する「ちほう庵」という談話室に案内していただく。 

玄米茶をご馳走になりながら開店までの経緯や店主のパンへのこだわりなどを聞かせていただく。 

玄米や米麹で起こした酵母で、パンを作る。 低温でじっくり発酵させるので、小麦のうまみが引き出され、乳製品や卵を使わなくても美味しい。

牛乳・卵アレルギーのある方も安心して食べることができるように仕上がっているそうだ。





                
                 
隣接する「ちほう庵」                                             「ちほう庵」、中には薪ストーブも





2階にもイベントスペースがある。 1階「ちほう庵」の薪ストーブの煙突がここを通っているので、冬は2階も暖かそうだ。

この構造から韓国のオンドルやロシアのペチカを連想する。

オンドルは床下に排気管を通して床を暖める床暖房、ペチカは垂直な壁面に排気管を埋め込む壁暖房になっている。

ここ、「ちほう庵」も熱をすぐに逃がすのではなく有効に使おうとする考え方はオンドルやペチカと共通している。





                         
                                  
2階にもイベントスペースがある





ここでも、さまざまなイベントや講習会ができるようだ。 店主もいろんなアイデアをお持ちのようだ。 

現在、神石高原町は、過疎・高齢化が進んでいる。 

店主は、その対策のため、多くの方に来ていただいて、喜んでもらいたいとパン屋を開業された。



自分がお邪魔しているときにも、地元のみなさんが4人で来店された。 賑やかに談笑しながら買い物を済ませ、満足した様子で帰られた。

店主の夢は「多くの方に集っていただき,つながりをつくり,来ていただいた皆さまにとってよかった といえる時間と場を作り出すこと」

そして、「パンを通して、いろいろな縁を育んでいくこと」だそうだ。

この店主の夢は、着実に進行中なんだと、うらやましく感じる。



自分も第二の人生設計を退職時にスタートできるように、今から計画的に考えていく必要があるかなと気づかせてもらうことができた。


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