130818
前回、8月4日のHOBBY PAGEに、海で収獲できていたものについて書いたが、その後、思い出したものがある。また載せてみる。
思い出してみるものすべてが、今はほとんど見かけなくなっているものばかりだ。 これも例にもれない。 セト貝である。
稚貝の時は茶色っぽい色をしているが、成長するにつれて黒さが増してくる。 二枚貝で岩や岸壁に群れて、くっついている。
2枚貝の接合部に繊維状のものがたくさんついているので、丁寧にその繊維質を取り除いて調理する。
イタリアンやフレンチでは、ムール貝として食される。 このような料理は、ドレッシングやソースに工夫を凝らさないと、「うまい」と言えない。
自分は、このセト貝の調理が苦手だ。 もっと、スッキリと調理でき素材の味をそのまま味わえるようなものがいい。
そうだ、こんどセト貝を見つけたら、刺身にして食してみよう。 新発見があるかもしれない。
定番のアサリ。 幼少の頃、夏場に潮干狩りに連れて行ってもらっていた。 「ここがいい」という場所は憶えていない。
大人になり、釣りを始めてからは釣り場で、足元を観察し、アサリが居そうなところを見つけると、掘り返してみた。
投げ釣り用の竿を持ってキスを狙っていた「室浜」や「小室浜」の浜では、アサリが収獲できた。
そうと、分かってからは、釣り竿を持たないで潮干狩りの道具を持って通ったこともある。 ここでは昔、そこそこアサリが獲れていた。
昔と言えば、意外なアサリポイントとして、田尻港があった。 その港には、1988年から10年間、マイボートを繋留させてもらっていた。
その港では、海上繋留のため、年間1〜2回フジツボの洗浄と塗装のため陸上で船体の洗浄を行っていた。
港内側の泥に足を入れることもあった。 その時、足に貝のようなものが触れる。 どうせ貝殻だろうと掘ってもみなかった。
しかし、ある夏の日、地元の人が港内側の真っ黒い泥(ダベ)を掘り返して、たくさん大型のアサリを収獲している場面を見かけた。
それからというもの夏場には、釣り仲間と潮干狩りをしたものだ。
ただし、ここで収獲した良型アサリは、しっかりと泥を吐かせないと食べにくかった。 港の外でも、アサリが獲れていた。
海ではないが、我が家の近所におおきな池がある。 もちろん淡水だ。 昔は、周りの山からの湧き水が流れ込んでいた。
今は、周りの山が造成され団地もできている。 自然の湧き水は、ごくわずかになった。
そのため今では、汲み上げた地下水をこの池に入れている。
数十年前、自分たちが幼少の頃、この池では、数年に一度水を抜いて大規模な漁が行われていた。
数日かけて水を抜き、干上がったダベの中から、大人の腕ほどもある大きな鰻、1メートル近い鯉や鯰、50cmの鮒・・・など、あらゆる淡水魚が獲れた。
それらを、持ち帰り食用にしたが美味かった記憶はない。 貝もいた。 10cmほどの黒い二枚貝もたくさんいた。 カラス貝?と呼んでいた。
この貝を、焼いたり煮たりして食すと、不味い。 ゴムのように固かった。 もちろんシジミもいた。
もう、数十年も、大がかりな池での漁はしていない。
近所の人の話では、最近、大きなシジミが繁殖しているらしい。 目撃談によると、オオアサリ(マンジュウ貝)くらいあるシジミがいるそうである。
もう、水を抜くことはないので、池に潜って確認するほかに手段はない。
「池」、「潜る」で思い出すのが、小中学校時代の夏休みには、よく近所の友だちとこの池で遊んでいた。
池の真ん中まで泳いで行き、水底の泥をとってくる。 自分は底まで潜ったんだという証拠に泥を握って浮かんでくる遊びをしていた。
子供の頃はずいぶん深い池だと思っていた。 実際の水深は、3m? 4m? 5m? 夏には、表面と底の水温の違いを体感することができた。
その遊びをすると、あとで嫌なことが待っているのだが・・・。 泳いだ後は、みんなで池の土手に上がりお互いに背中や足の裏を確認し合う。
みなさん、何の点検だと思いますか? そうです、ヒール(ひる)です。 昔は、ヒールがたくさんいたのです。
自分の背中にくっついていればとってもらい、友だちの背中にくっついていればとってやることをしていたのを思い出す。
シジミといえば、芦田川の河口堰が有名だった。 「・・だった」というのは、今はもういない、過去の話である。
ある大きな製鉄会社ができ、芦田川に河口堰ができてから、魚や貝の生態系が大きく変化した。
河口堰のできる前の話である。 ここにシジミを獲りに行くと、バケツひとつには、入りきらないほどのシジミが獲れた。
バケツ2〜3個、持って行かないと間に合わなかった。 と同世代の釣友から聞いている。
自分の幼少の頃は、河口堰の辺りは、行動範囲ではなかった。
さて今日は、当初、6名での出港予定だったが、事情により5名になった。
ここのところ、不漁が続いている。 最近の出港は、どうも達成感がない。
キスやギザミなどの小物は、いつもと変わらず、良く釣れているが、40cm超級のアジ・ヤズが釣れない。
例年だったら6月半ばから、アジやハマチは釣れている。
今年も、7月になってからは「今日こそ大物が釣れるのではないか」と期待して出かけるが、いつも裏切られている。
9:00、マリーナに着く。 駐車場で、カープ大好きさんとむさんが待っている。
荷物を持ってフロントの方へ移動していると、Hさんとおじさんがいる。 今日のメンバーはすでに揃っている。
マイボートは、昨日の夕方から桟橋に海上繋留されている。 実は昨日、お子様たちのリクエストで海に出た。
昼前に出発し、マイボートで走島の天女浜海水浴場に行った。 さっそく遅い昼食を摂った。
お子様たちがシュノーケリングを始めたので、竿でも出そうと思っていた。
ところが、砂浜の涼しい木陰にいると眠気が襲ってきた。 「ちょっと横になって・・・」と、までは覚えている。
暑さを感じ目が覚めた。 1時間半が経過していた。 木陰だったところが日向になっている。 眠ってしまっていた。
短パン一丁だった体は赤くなっていた。 軽い火傷状態? 木陰に移動し、お子様たちのシュノーケリングを観察した。
お子様たちの話によると、けっこう浅いところでも大きな魚がいるようだ。 干底を少し過ぎた15:30、そろそろ帰ろうということになる。
この海水浴場での釣りは、しなかった。 帰港の途中には、早く帰港したいとの希望により、ハチカサノ瀬も素通りしてしまった。
結局この日、釣りをすることはなかった。
マリーナまで帰港し、スタッフに「また明日、出港予定です」と伝えると、「じゃあ、桟橋に繋留された方がいいですね」となる。
マイボートを2回上下架するより、1回上下架する方がよい。 安上がりだ。 ということで、昨日から海上繋留していた。
今日のメンバー5人で、簡単に打ち合わせをする。 その時に、船長のわがままで因島大橋下のママカリを提案させてもらった。
急遽、ママカリ釣りに行くことになる。 ここ数年やっていないところだが、今因島でママカリが上がっているという予感があった。
5名が乗船し、荷物を所定の位置へ置く。 9:15、出港。
一晩海上繋留したマイボート 周りには訓練用のボート(カッター)が繋留されている
出港すると、西へ針路をとる。 向島の高見山がよく見える。 海上の見通しは良さそうだ。
今日は、百島と加島の間を南下することにしよう。 百島が見えてくると「百島診療所」の話題になる。
先日、次田先生の診療用の水上飛行機がやってきたそうだ。 百島診療所日記に、格納庫に入っている水上飛行機の写真があった。
診療用の移動手段が、ボートだけの時は、往診範囲が片道30kmとあったが、飛行機となると瀬戸内海全域が往診対象になるのだろう。
次々と目標である僻地医療の実現に向けて着実に前進している。 その原動力は何なんでしょうか。
目標に向けて、安全面もしっかりと着実に歩んで欲しいものです。
正面には向島の高見山が見える
加島と百島の間を南に抜けると、再び針路を西へとる。 やがて向島の南側へ回り込む。 正面に因島大橋が見えてくる。
数隻のボートが見えるが、ママカリの時合いはまだのようである。 満潮が9時前なので10時を過ぎないと、良い潮にはならない。
正面に見えてきた因島大橋 向島側の橋脚
9:45、因島大橋下に着く。 向島側の橋脚下には、陸からママカリを狙う釣り人がぼちぼち集まってきている。
向島よりの橋の下辺りでママカリ仕掛けを下ろしてみるが、あまり良い反応がない。 ぽつりぽつりと上がってくる。
笹島の方を見ると、船が集まってきている。 そのどれもが、アンカーを降ろして掛かり釣りをしている。
笹島周辺の南側で掛かり釣りをしているボート
笹島の近くへ移動して、アンカーを掛ける。 潮は、東から西へ流れている。 潮も良くなってきている。
ママカリサビキを降ろすと、すぐにあたりがある。 スタッフ全員の竿にあたりがあるようになる。
こういう状態だと、いかに手返しを速くするかで、釣果が分かれてくる。
しかし、こういう時には、船上では仕掛けが隣のスタッフと絡まったり、海中では掛かったママカリがあばれて隣のスタッフの仕掛けと絡まったりする。
入れ食い状態などの時には、きまって船上でも海中でもお祭りになってしまう。 また、それも楽しい。
ママカリサビキの針の数だけ、ママカリが掛かっていることも度々ある。 入れ食い状態が続く。
良型のママカリも釣れる。 「これは刺身にできる」と聞こえてくる。
イケスの中は、ママカリで埋まっていく。 前回の釣りでは、イケスの海水入れ替え口が壊れて多くの魚は放流されてしまっていた。
今日は、そんな失敗をしてはいけない。 イケスの壊れていない口を開けておく。
11:10まで、ママカリを釣る。 釣果、約300匹。 ママカリは油断していると内蔵から腐敗してくる。
ママカリは、まだ元気なうちにイケスから取り出し、氷を詰めたクーラーボックスに入れ替えておく。
「このまま、今の潮でママカリを釣り続ければ、千匹はいくじゃろう」と言いながら、因島大橋下をあとにする。
さて、次はハチカサノ瀬目指して東へ移動する。 先ず横島西にある当木島を目指して進む。 今日は波がない。 穏やかな海だ。
ボートは快調に走る。 しかし、調子に乗って4500rpmも出すと確かに30ノット以上の滑走状態になるが、燃費が気になる。
最近は、4000rpmでゆっくりと走るように心掛けている。 このボートでは、時間と燃費が両立する走りは4000rpmくらいであろう。
以前は4500〜5000rpmでスピードを出し、自己満足をしていた頃もあった。 ガソリン高騰の折、過去のスピード重視の走りを反省している。
当木島周りには、数艇のボートが釣りをしているが、釣れている気配がない。
当木島を過ぎると、また東を目指して走る。 この辺りから、魚探に時々赤い大きな塊が映し出されるようになる。
これは、明らかに魚群なのだろう。 イワシか、サバか、アジか、分からない。
以前、このような魚群を見つけてはサビキを沈めてみたことがあった。 イワシなどの小魚や、時には大アジが釣れることもあった。
しかし、今はハチカサを目指して移動中だ。 途中でサビキを下ろしてみる余裕はない。 ひたすら東へ走る。
11:45、ハチカサノ瀬に着く。 先客のボートがひとついる。 アンカーを掛けて釣っている。
アミエビ(オキアミ?)を撒きながら、サビキ仕掛けで釣っている。 釣れた場面は見えない。
ハチカサノ瀬浮標
魚探を見ても魚群の反応がない。 時々でも反応があれば竿を出してみようかという気になるのだが・・・。
サビキ仕掛けを下ろしてみるが、まったくあたりがない。 潮もよくないのだろう。 釣れる気配もない。
12:00、移動することにする。 走島に行って確実なキス・ギザミを狙ってみよう。
12:15、走島の天女浜西の浜に着く。 ここのポイントは浅い。 水深4mほど。 底の様子が見えている。
さっそく、アンカーを降ろし掛かり釣りをする。
ポイントから走島の小さな砂浜を見る ポイントから南方向を見ると宇治島が、すぐそこに見える
いつものように、仕掛けを投げるとすぐにあたりがある。 ここの魚は、うまく合わせないと針に乗らない。 じょうずに餌だけを取っていく。
竿を置いていて釣れていることはほとんどない。 魚がすれているようだ。
ポイントから西方向の岩場を見る ポイントから東方向を見ると海水浴場が見える
西の岩場では、よく潜りをする人が来ている。 サザエやウニが獲れるのだろうか。 自分たちが釣りの時、よく見かける。
天女浜海水浴場は、まだ多くの人が来ている。 今年は、お盆を過ぎても涼しくなる気配がない。 海水浴客も、まだ大勢いる。
水上バイクも、元気よく走っている。 先日は、水上バイクの事故が報道されていた。 気を付けて欲しいものだ。
暑さにも負けず頑張る
ここ天女浜西の浜では、キス・ギザミが、なんとか40匹ほど釣れる。 今日は、イケスの口はちゃんと格子があるところを開けている。
ギザミも逃げることはない。 キス・ギザミがほどほど釣れると、大型アジ・ヤズが釣りたくなる。 14:15、アンカーを上げる。
再び、ハチカサノ瀬を目指して西へ移動を始める。 海は穏やかだ。 4000rpmを維持しながら進んでいく。
14:30、再びハチカサノ瀬に着く。 先ほどいたボートが、まだ釣っている。
そのボートに向かって「釣れましたか〜?」と声をかける。 ジェスチャーで答えてくれる。 両手を体の前で交差しバツマークをつくっている。
ひつこく声をかける。 「30cm越えは釣れましたか〜?」 今度は声で答えてくれる。「そのくらいは釣れとる。 こまいのばっかりじゃけど」と。
うまく会話が成り立っていないようだ。「30cm越えは釣れましたか?」に対して「30匹くらい釣れた。小さいけど」という会話になった。
小さいアジは釣れていたようだ。 そのボートはその後、すぐアンカーを上げ帰港してしまった。
魚探には、小さな魚群のようなものが時々映るが、不思議とまったくあたりがない。 本日2度目のハチカサも諦める。
15:20、アンカーを上げる。
次は、内海大橋の下で、ママカリでも狙ってみようということになる。 阿伏兎の瀬戸目指して北西に走る。
すると、魚探には大きな赤い魚群が映し出される。 昔、この赤い魚群にサビキを投げ入れて大アジを釣ったことを再び思い出す。
移動中だが、その赤い魚群が表れると同時に一斉にサビキ仕掛けを投げ入れてみる。 時々あたりがある。 アジやイワシが上がってくる。
これもおもしろい釣りだが、魚が上がってくる確率が低い。 移動中の釣りは止めて、真面目に移動を始める。
右方向を見ると、仙酔島と夏雲が見える。 さらに走ると阿伏兎観音が見えてくる。
仙酔島 阿伏兎観音
阿伏兎観音に、今日の安全な航海のお礼と、大漁のお礼・・・、あっ、大漁は次回のお願いでいい。 お礼とお願いをしながら通過する。
阿伏兎の瀬戸に入ると矢の島の向こうに、クレセントビーチが見える。 ここもまだまだ夏を楽しむ人たちが多い。
クレセントビーチ フィッシャリーナ
今日は、フィッシャリーナからも多くのボートが出ているのだろう。 しばらく走ると内海大橋が見えてくる。
16:00、内海大橋下、田島側の橋脚辺りに近づく。 魚探で確認するが、ママカリはいないようだ。
スタッフの何人かがサビキ仕掛けを下ろしてみるが、あたりはない。 あっさりと諦める。
16:10、内海大橋の西側に移動し、田島北側に沿って西に少々移動する。 道路沿いの斜面にブロックが張られている辺りの前辺り。
イイダコ仕掛けを投げてみる。 内海大橋方向へ流してみる。
道路沿いの斜面にブロックが張られている前あたり 内海大橋方面へ流す
16:20、イイダコのあたりはない。 今日は、以上で終了しよう。 アンカーを上げてマリーナへ帰港の連絡をする。
マリーナへ移動する。 右側を見ると、常石造船のドックには、相変わらず建造中の船が多い。
7〜8分走ると、マリーナが見えてくる。
16:35、帰港する。 最近新しいビッグボートが気になる。
最近見かけるビッグボート 昔から見ているビッグボート
今日の釣果
@
ギザミ22匹、キス15匹、サバ・イワシ・コチ・小鯛が少々
A
ママカリ 約300匹
今日の釣果は全て釣友に持ち帰りいただいた。