アオリイカに惹かれて     130829




そろそろアオリイカが釣れ始めているらしい。 自分の周りにも毎年アオリイカを狙っている釣友がいる。 

釣り関係のHPを見ても、釣り雑誌を見ても、アオリイカが登場している。

自分は、10年近く前からエギを使ったアオリイカ釣りを試みてはいたが、ほとんど釣った記憶はない。

しかし、コウイカは、エギで何度か釣った記憶がある。 

数年前の10月、多度津港の前にイイダコを釣りに行って、コウイカを十数杯釣ったことがある。

イイダコ用の仕掛け(イイダコテンヤ)の40〜50cm上に20〜30cmのエダスを結びイカ用の仕掛け(エギ)を付けた。

その仕掛けで、イイダコを釣っていると時々コウイカも釣れていた。

仕掛けの動かし方は、イイダコだけを意識した釣り方だった。 仕掛けを海底に着け、小さく上げたり下げたりする。

まったく、コウイカを意識した動きを入れなくても二桁のコウイカが釣れていた? いや、釣れたこともある。

自分の釣り歴を振り返ってみても、イカ釣りに集中していた期間は、ほとんどない。 なぜだろう?

アオリイカポイントを知らないことと、しばらく釣れないと諦めが良すぎるということが原因だったのだろうか。

ところが、この10年ほどで、世の中のアオリイカブームは大きく広まってきた。

こうなったら、また再開するしかない。 



今日は、昼から4時間の年次有給休暇をとる。 「年休は、とれる時にとっておかなくては・・・」と思うようになった。

以前は、年休のほとんどを次年度に持ち越していたが、そんなことをしても、なんの得にもならない。

年休をとることは、労働者の権利であるが、普段はなかなかとりにくいのが実情だ。 しかし、会社の都合上8月はとりやすい。

13:00、退社する。 



さっそく、車に乗り海方面へ移動を始める。 アオリポイントを釣友からいくつか聞いている。 そのうち、田島で試してみたい。 

芦田川を下っていく。 2号線を渡り下っていく。 やがて洗谷三叉路を右に曲がる。 

緩やかに登っていくと、左手にコンビニができている。 ここで暑さ対策のペットボトルを購入する。

さらに道なりに進んでいく。 沼南高校前を通過する。 千年に出る。 廣島銀行千年支店を過ぎた辺りに釣具店がある。

ここで買い物をする。 まず、アオリイカ釣りの道具。 釣り道具や竿は、すべてマイボートに置いている。

今日、釣りをすると、あらかじめ分かっていればボートから出していたのだが、今日は何もない。

リール付きの竿と良く釣れそうなエギを2つ購入する。 クーラーボックスと氷、締めて3500円の出費。





                          






しばらく、走って右折すると内海大橋。






                






内海大橋を渡り終えると、すぐ左折する。 内浦小学校方面へ走る。

海岸沿いでは、地元のお年寄りが竿を出している。 何が釣れるのだろうか? 

しばらく走ると、内浦小学校が見えてくる。 小学校横まで来ると、T字路に案内板が見える。






                
               
前方左に内浦小学校が見える                                                案内板がある





左にいくと、クレセントビーチやフィッシャリーナがある。 そこを、反対に右折する。 すると田島の南側の箱崎漁港へ出る。

箱崎漁港の明神神社前にブロックを積み上げた波止が3つある。 その東側に石を積み上げた小さい波止がある。

これから、その小さい波止でアオリイカを狙ってみる。 ちょうど、下地図の赤ポイントになる。

島の南側に出て、広い道路から見下ろすと、3つの波止が見える。





                          






ちょうど今、潮が低いようだ。 今日は事前に潮のデータを調べていない。 潮まかせで釣ってみよう。

このポイントへ行くには広い道路から狭い道路を下りて行かなければならない。 対向車が来ないことを祈りながら下りて行く。






            






車を明神神社の前に停め、ポイントへ持って行くものを準備し、着替えをする。

海方向を見る。 確かに潮は低い。 ここへ下りる時、地元の人?が、バイクで下りて行った。 確か竿を持っていたようだ。

下りてみるとその人が、ちょうど上がっていこうとしている。 海の様子を見て、釣りをやめたらしい。 じゃあ、潮は良くない?

まあいい、ここでやってみよう。 左方向を見ると石積みの波止がある。






                
            
   左方向に石積みの波止が見える                                        石積みの波止、先端に出てみよう





石積みの波止に移動する。 先端まで移動する。 いかにも雰囲気だけは釣れそうなポイントだ。

先端から、左・正面・右、それぞれの方向を見回してみる。






                    
             
 左方向                                   正面方向                                  右方向





15:00、さっそく、エギを投げてみる。 投げて少し寄せては、沈ませる。 それを繰り返す。 

自然なエビの動きに見えるように心掛ける。 何の変化もない。 正面であたりがないのなら、右方向はどうだ?

やはり、あたりらしきものは、ない。

海の生物が気になる。 カサガイ?マツバガイ?が見える。 カメノテもある。 ニシのなかま?もある。






                  
              
カサガイ                                 カメノテ                                ニシのなかま





あたりがない。 「こんなんだったら、磯の貝を獲って持ち帰った方がいいなあ」などと頭に浮かび始める。

カサガイのバター焼き、カメノテは塩茹でをして爪楊枝で食す。ニシも塩茹でをして食す。 いずれも飲み物が進む。

15:30、若いお兄さんがやって来る。 お兄さん「隣で釣らせてもらっていいですか?」 自分「はい、もちろんいいですよ」と。

2人の会話が始まる。 自分はアオリイカ初心者であることを告げる。

お兄さんは、竿の振り方・扱い方が、うまい。 「アオリイカはあのようにして竿を動かすのか」見とれてしまうほど、すごい。 うまい。

アオリイカ釣りのベテランのようだ。 お兄さんが、竿の動かし方から色々釣りに関することをアドバイスしてくれるが、できない。

しかし、自分も何か違和感がわかった。 すぐ海面のエギを見ると、周りが黒くなっている。 「イカの墨かな?」と思う。

その時、お兄さん「イカが追っかけてきてますよ」と。 自分には、そのイカが見えない。

その次の数投目で何か手応えが・・・。 巻いてくると、小さなアオリイカがぶら下がっている。






                
                 
  小さいアオリ                            お兄さんの大きなアオリ、写真では異常に大きく写ってますが、実際は自分が釣ったものの倍くらい。





そのアオリイカをカメラに撮りながらクーラーボックスに入れる。 あまり大きな手応えはなかったけど、しっかり充実感を味わう。

その数分後、今度はお兄さんが静かにリールを巻いている。 竿が曲がっている。

上がってきたのは、先ほど自分が釣ったイカの何倍もあるようなアオリイカだ。 ここにはアオリイカが、けっこうたくさんいるんだ。

そのお兄さんは、エギをいろいろ替えながら、場所も遠くの方まで移動しながら釣っている。

離れたところで、かなり釣り上げたようだ。 自分はずっと石積みの波止の先端で釣っている。

16:00頃、お兄さんは満足したように「僕は、場所を替えますから・・、じゃあ」と。

手ほどきをしてくれたお兄さんに「ありがとうございました」と一言を。

お兄さんは、バイクで移動していった。 

海中の生物が気になる。 大きなクラゲが流れていく。 今日は、定期的に巨大エイがブロックの波止と沖合を往復している。

巨大エイは、しっぽを除いても1mほどありそうだ。 その大きなエイが、エギに興味を示し近寄ってきた。 

あんな大きなものにエギを呑み込まれたら竿まで持って行かれそうだ。 慌てて、エギを引っ張り、移動させる。






                
             
大きなクラゲがゆっくりと流れていく。                                      見えにくいですが、巨大エイです。右に移動中。




16:00過ぎ、もう一杯同じくらいのものを追加。  16:20、場所を替えてみることにする。



次は、内海大橋の下にある田島側の波止。 むかし渡船があった時代の桟橋がある、あの波止です。

行ってみると、地元のおじいさんが、波止の内側(桟橋と波止の間)でチヌの団子釣りをしている。 

足元に下げているスカリを覗かせてもらう。 40cm〜25cmくらいのチヌが10枚以上は釣れているようだ。

おじいさんは、「団子釣りは、波止がよごれるけえ、いけんのよ」と言いながら、

団子の硬さや団子の中の餌についての持論を教えてくれる。 波止が汚れることについては気が引ける部分もあるのだろう。

これが、特別な釣果ではなく、毎日このくらい釣れるらしい。






                






周りを見回すと、道路沿いの護岸の上から、エギでアオリイカを狙っている釣り人が、頑張っている。

しばらく、しても釣れている様子はない。





                          






16:30、波止の先端に行き、竿を出してみる。 どの方向が良いのかわからない。いろんなところにエギを投げてみる。






                






まったくあたりらしきものがない。 旧渡船の桟橋方向にも投げてみる。 あたりがない。

一人釣り人が来る。 タコテンヤを付けて波止から桟橋方向へ投げている。 

聞いてみると、ここから桟橋方向へ投げて、大きなマダコが釣れるんだとか。 

しかし、気の毒なことに、そのおじさん、3投目に仕掛けがロープに掛かってしまった。 

がんばっていろんな方向から引っ張ってみたが、結局ダメ。 仕掛けを切って竿をかたづけてしまった。

桟橋のたもとにたたずむ建物は・・・、そうか、昔、渡船時代にお世話になった大衆食堂「船長さん」かあ・・。

なつかしい。 たまにこの島に夜釣りに来たとき飲み物や食べ物を仕入れた場所だ。

渡船はなくなっても、まだ営業されているようだ。





                          
                                   
  大衆食堂「船長さん」





やがて、この「船長さん」前の駐車場に車が停まる。 若いカップルが出てきて釣り竿の準備をしている。

とても釣りをする二人には見えない。 格好で判断するのもおかしいが・・・。

エギをしている自分は、もう釣る気がないようだ。 今日、ここにアオリイカはいないようだ。

どうも周囲の人間観察をしている自分に気づく。

二人は、自分のいる波止から桟橋をはさんで向こう側の陸地で釣りをするようだ。

やがて、この二人は釣り道具を出す。 竿は太い投げ竿、仕掛けは小魚用のサビキ仕掛け、

錘は胴付きのようにサビキ仕掛けの一番下に大きな錘を付けた。 

釣り方は・・?  と、見ていると・・・、 あれ!? はるか沖に向けて投げ釣りの体勢で投げる。

仕掛けは、びゅ〜ん、と沖合まで飛んでいく。 

ここまで見ていると、この二人には失礼だが、釣りをしたことのない人が、あり合わせの仕掛けを付けて釣りをしているように見える。

しかし、しばらくして、自分の見方を反省することになった。

その沖合に投げたアンバランスと思えた仕掛けに、サヨリがスズナリに付いている。 びっくりだ。

あまりの意外な出来事に写真を撮るのも忘れていた。 それを何度か繰り返し、適当な量の獲物ができると、さっさと撤収してしまった。

自分は、エギを投げることもしないで見とれてしまった。 わずか数分間のできごとのようだった。

今日は、珍しい釣り、地元ならではの釣りを見せてもらった。

17:00過ぎ、自分も道具を撤収して帰路につく。






                





釣果を持ち帰り、下ごしらえをし始めて、またまた写真を撮り忘れていることに気づく。

げそと胴体を切り離していたものを再びくっつけて写真を撮る。






                  





今日は、簡単に「刺身」でいただこう。





                  





自分で釣った「アオリイカの刺身」は格別です。 冷たい飲み物が進みます。 

釣り場で、出会ったお兄さん、手ほどき、どうもありがとうございました。


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