130907
芦田川の河口堰のゲートが12ぶりに全開された。
9月4日までの6日間の総雨量が芦田川流域平均で224・9ミリに達し「洪水の恐れがある」として、
4日午前10時半〜午後11時40分、10のゲートを全開した。
9月7日(土)、中国新聞より
福山市の走島に、湿地に生えるアシや川魚のフナの死骸が大量に漂着している。
大雨が降った4日、国土交通省福山河川国道事務所が芦田川河口堰(ぜき)(同市)のゲートを12年ぶりに
全開して放流した影響とみられる。漁業者たちは撤去作業に悲鳴を上げている。
河口堰の南約10キロにある走島周辺には、4日午後から草木やペットボトルが目立ち始めた。
6日も漁業者は撤去や、アシなどが絡みついて破れた漁網の修理に追われた。
漁港には全長30センチ前後のフナが数十匹打ち上がり、海面を泳ぐ姿も見られた。
走島漁協によると、川の水は海水より軽いため表面に真水の層をつくり、フナはしばらく生きられるという。
高橋良宏組合長(66)は「フナが海を泳ぐのを初めて見た。島の周りに1万匹近くいる」と推測。
「死骸や草木の自力撤去には限界がある」とこぼす。
走島に流れ着いたフナの死骸 白石島に流れ着いた大量のアシ
河口堰の南東約10キロにある笠岡市の白石島の海水浴場にも大量のアシなどが流れ着いた。
素足を傷つけるため住民数人で撤去を開始。約400メートルの砂浜で軽トラック20台分以上を集めて焼いたが「いたちごっこ」。
同島観光協会の原田茂会長(52)は「片付けにいつまでかかるか分からない」。
河川国道事務所によると、4日までの6日間の雨量は芦田川流域平均で224・9ミリに達し
「洪水の恐れがある」として4日午前10時半〜午後11時40分、10のゲートを全開した。
国光謙二河川管理課長は「アシやフナなどは河口堰から流れ出たとみられるが、撤去については
海岸などを管理する県市に尋ねてほしい」と話している。
以上の新聞記事を見て、思う。
芦田川に、人々を天災から守るため、大企業の工業用水やたくさんの人々の生活用水のためにダムや河口堰を造ってきた。
当然このようなダムや河口堰を造るとアユやウナギなど海と密接につながっている魚たちは迷惑する。
産卵のため河口に下るが産卵場所まで行くことができない。 産卵できたとしても、稚魚が成長して遡上することもできない。
そのため、多くの河川にある漁協が人工孵化した稚魚を放流している。 芦田川漁協も毎年1トン近くアユの稚魚を放流している。
しかし、放流されたアユも現在の河川では、アユ本来の生態系を維持することはできない。
現在、芦田川では、いや府中近辺の芦田川では、かろうじてウナギを捕ることができる。
どういうわけか、スッポンはたくさん捕れる。 しかし、アユは捕れなくなってきている。
今年の夏は酷暑も影響し、アユがまったく捕れない。 やがて、アユは減少の一途をたどり、絶滅危惧種になりかねない。
その生態系を守ってやらなければならない。 いくら河川の堰部分に魚道を設けてみても河口に開かずの堰があれば意味がない。
自然の生態系をいかにして守っていくか、また現在の人間優先の環境をいかにして改善していくか、考えてみる。
しかし、自分にもよくわからない。
人間と自然の両立を摸索していくことは難しいが、現状は間違っているということは、常に頭に置いておきたいものである。