雨中の釣り      140802




この職場へ転勤になって1年あまり。 まだ、職場のみなさんと海遊びをしたことがない。 

先日、職場の方から「ボートで釣りをしてみたい」という話があった。

話をしてみると、今の職場に、海や釣りに興味のある人は多いようだ。 

また、釣りをしたことのある人や現在も釣りが趣味の人もいる。 さらに、ボート免許を取りたいという人もいるようだ。

今の職場に一人、自分と同じボートフィッシング仲間で時々一緒に海遊びをする方がいる。

そのボートフィッシング仲間以外にも、海遊びをしたい人や、している人が、けっこういるんだということがわかった。



しかし、こんなことが1年4ヶ月以上も、分からなかったということは、どういうことだろう?

普段から、いかにコミュニケーションがとれていなかったかということになる。

仕事だけのコミュニケーションではなく、他のことも話題になってもいいのだが・・。

職場の人たちと、同じ課の人たちと、時にはアルコールの場を持つこともある。

そのような場で、仕事のことも、時にはプライベートのことも相談するということもなければいけない。

そのような仲間と、時には同じ趣味を持つ仲間と行動をともにするということもあって当然だと思う。

そうすることによって、さらに仕事のことも、より細かくより深くコミュニケーションがとれるようになるのではないだろうか。



仕事オンリーの付き合いをしていたのでは、あまりよくない。

当然自分も、職場の人たちと仕事だけの付き合いをしてきたつもりはない。 

しかし、1年以上も、海遊びをする人たち・したい人たちがいるという認識がなかった。 反省しなければいけない。 

もっと、いろんなことで多くの職場の人たちとコミュニケーションを図らなければならない。

と、もっともらしく職場の人たちと釣りに行く理由を書いたようだが、まんざら、それだけではないと思う。



さて、1週間前から職場の人たち数人と「8月2日、ボートフィッシングに行こう」ということになっていた。

しかし、その話が出た頃、天気予報で、動きの遅い台風が2つできていることが報道されていた。

昨日(8月1日)の天気予報では、「8月2日は、曇り時々雨、海上の波は0.5m」ということだった。

「意外に台風の影響は少ない、ほとんどないようなものだ。 明日は、なんとか出港できるだろう」と判断した。

明日の参加予定者の一人から、「1時から用事があるので12時過ぎには釣りを終わってマリーナを出たい」と聞いていた。

マリーナは9時から営業開始。 しかし、9時に出港していたら、帰港し12時過ぎにマリーナを出ることはできない。

「明日は、8時出港にしよう。 そうすれば、9時から11時くらいまで3時間ほど釣る時間ができるだろう」と考えた。

そこで、昨日マリーナへ「明日、8時に出港できるように今日の夕方海上にボートを下ろして桟橋へ繋留しておいてください」と連絡した。

さらに、職場のボートフィッシング参加予定者のみなさんに「明日は8時に出港、もし雨が降っていたら中止」と連絡をした。

当然、出港できると判断してのことだった。



一夜明けて今日。 今にも雨が降り出しそうな天気だが、降ってはいない。 

しかし、参加予定者の一人から電話がある。 「福山は、しっかり雨が降っている」ということだ。

やむなく、今日は中止にする。 6:30、職場の参加予定者のみなさんに中止の連絡を入れる。

後日、天気など条件のよい日に出港しよう。



これで、一件落着といきたいところだが、船長としてはもう一つやらなければならないことがある。

マリーナの桟橋へ繋留して頂いているマイボートを上架しておかなければならない。

昨日、電話でボートを下架してもらったのだから今日も電話で上架をしてもらえば済むのだが・・・。

エンジンを始動してないので、エンジン内へ清水も通さなくてよい。 そのまま、上架して所定の位置へ運んでおいてもらえばよいのだ。

しかし、ここで船長も釣り師としての血が騒ぐ。 

せっかくクレーンでの上下架代金を支払って釣りをしないというのは、もったいないではないか。 

少々の雨が降っていても、竿を出してみたい。



6:50、雨の中、マリーナへ向かいながら、釣友の2〜3人に電話をしてみる。 「雨の中、短時間釣りをしてみない? 8時出港で、どう?」

釣友の中には、自分と同じように物好きな人もいるものだ。 1人から、OKをもらう。

松永に出てR2を横切り貯木場方向へ走る。 右手にハローズ、左手を見ると「朝定食」の幟が目につく。

いつもの釣行時は、9時前なので「朝定食」はやり過ごしてしまう。 今日は、出港時間の8時までには時間があるし、朝食抜きで出てきている。

「朝定食」に入ってみよう。

仕事中らしく慌ただしく朝食を摂っている長距離トラックの運転手さんとセブンイレブントラックの運転手さん、時間を気にしながらの食事中だ。

自分も、500円のおぼんに乗ったセットを持って席に着く。 8時までにはまだまだ時間がある。

運転手さんたちには悪いが、のんびり食事をする。 あとからも、お客が入ってくる。 おぼんの中の品をいろいろ替えている。

「な〜んだ、おかずは適当に好きなものに交換できるんだ」 常連さんは、よく知っている。



「朝定食」を出ると、次は釣具店へ。 

今日の釣りの仕掛けを購入する。 まず因島大橋下でママカリ釣りの予定、そこでママカリ仕掛けの8号針の付いたものをセットで。

次に、アジ・ヤズ用に「鳴門船サビキ」5本針を数セット購入する。 今日は、虫餌は購入しない。

それと、雨が降っているので、雨カッパも購入する。 氷も。

続いて、コンビニで水分補給用のペットボトル、お菓子を購入。



8時前、境ガ浜マリーナへ。 釣友はすでに到着している。 車を降りると雨カッパを着る。 マイボートは、桟橋へ繋留されている。






                          
                               
昨晩から桟橋で待っているマイボート





さっそく、釣友と2人でボートに乗り込む。 ずーっと雨が降っている。 カッパを着ているので暑い。

エンジン始動。 スムーズに回転を始める。

バックで桟橋を離れる。 ステアリングを回すと、やや違和感がある。 ステアリングのあそびがやや多い感じだ。

こんなにステアリングのあそびがあると、高速航行での急な針路変更ができにくい、危険だ。 今日はスピードを控えたクルージングをしよう。

桟橋を離れる。 向のトローリング用クルーザーでは、台風に備えてだろうか、繋留ロープとオーニングの確認をしている。






                          
                            
台風に備えてオーニングやロープの確認をしている





8時過ぎ、マリーナを、ゆっくり出港する。 ずっと、雨が降り続いている。 

カッパを着ていると暑い。 カッパ内側の湿気で不快感を感じる。 キャビンの中でカッパを脱ぐと、涼しさを感じ、ホッとする。 

マリーナを出ると、しばらく西へ進む。 百島・加島の北を通過し、加島の西を南下する。

今日は、先ず因島大橋下で、ママカリを狙ってみよう。

雨の中、ワイパーを動かしながら見通しの良くない海上を、スピードは控えめに進んでいく。 

やがて右方向に因島大橋が見えてくる。 針路を西へとる。






       
      






因島大橋が近づいてくる。 雨雲が低くたれ込めている。 8:25、因島大橋下へ到着。






                
                
橋脚が雨雲の中に                                  ポイントから向島を見る





今日の潮は小潮、干潮が8:46だ。 今8:30、潮は良くない。 今潮止まりのようだ。 動いていない。

小一時間待つとしよう。 向島側の橋脚近くの3艇が、タコを狙っている。






                          
                           
     タコ狙いの3艇、時々タコが釣れている





時々、タコを上げているようだ。 タコは、あまり潮に影響されないのだろうか。 

マイボートは、今潮待ちの時間帯だ。 潮が動くまで小1時間。 ママカリはもう少し待っておくとしよう。 

それまで、岩場と砂地の魚を狙ってみよう。 笹島方向へ移動し水深20mほどのところでアンカーを掛ける。 

ここなら、岩場のカサゴ・砂地のキス両方が狙えそうだ。






                
               
向島側橋脚近くの砂浜                                 向島側橋脚近くの笹島





砂浜方向へ投げてた竿に、すぐに大きなあたりがある。 釣友が慌てて合わせ、リールを巻き始める。 

上がってきたのは、キス。 大きい! 25cm! もう少しで、「尺キス」「ひじたたき」だ。





                    
                      
写真では大きさが伝わりませんが、定規で25cmという長さを確認してみてください





しばらくして、また砂浜方向へ投げていた釣友の竿に反応がある。 合わせてあげてみると、これまた大きな青ギザミ。 

これも、ぴったし25cm!





                    
                                  
立て続けに25cmを上げる





因島大橋の下を、いろんな船が通過していく。 普通の大型船は、余裕で通過していく。 

因島大橋が大きいと、どの船も小さく見える。






                                    






9時前になると、あちこちから釣り船が集まって来始めた。 そろそろ、潮がよくなってきたのか。

潮が動き始めている。 潮目もできはじめている。 ナブラのような潮も見える。






                






集まってきた船は、みなさん、ママカリ仕掛けをつけている。 マイボートの魚探にもママカリの群れであろう魚影が映っている。

さっそく、マイボートでもママカリ仕掛けをつけて投げ入れる。 

魚探に反応がある時には、間違いなく仕掛けすべてにママカリがついて上がってくる。

ママカリは、針にかかって上下に暴れる。 すると仕掛けは複雑に絡まる。 ほぼ、修復不可能になる。

そういう場合は、すぐに新しいママカリ仕掛けに取り替える。 

仕掛けを替えたり、ママカリを針から取り外したりを、いかに早くするかに釣果がかかってくる。

その手返しを早くすることが意外に難しい。 

海上や海中で、隣の人の仕掛けと絡まったりすることもある。

次々上がってくるママカリと絡まった仕掛けを裁きながら1時間が経過した。

このまま釣っていると、まだまだ釣れることだろう。 昨年の8月だったか、ちょっと粘って300匹以上のママカリを釣ったことがある。

上陸後、ママカリをみなさんにお配りするのが大変だった。 300匹、400匹釣ってもしょうがない。

現在、120匹くらい釣れているだろう。 このくらいでちょうど良い。



今日の目的は次に行くポイントなのだ。 今日の海況では、時間がかかりそうだが、ハチカサノ瀬に行ってみたい。

10:20、アンカーを上げ、ハチカサノ瀬めざして因島大橋下を出発する。






             






先ず、当木島を目指して進む。 波は、0.5m。 順調に進む。 因島東側あたりにも、今日は釣り船は見当たらない。

10:40、当木島を通過し、針路を真東にし、進んでいく。 この辺りから海上の白波が気になり始めた。

白波は、だんだん大きくなり船艇の揺れも大きくなっていく。 東の風に吹かれて白波が立っている。

「これでは、ハチカサノ瀬まで行けない」 Uターンし、椋浦港外側を目指すことにする。

西へ針路をとる。 背後から風を受けながら進んでいく。 後ろからの風は船艇に与えるダメージは少ない。

東へ向かう時よりも、ずっと楽に走ることができる。

椋浦港外側についてみると、ここもまともに東の風を受けている。 岩肌に荒波を受けている。 ここでも釣りはできそうにない。

11:00、椋浦港外側から、風裏のポイントを目指して百島の西側砂浜を目指す。

このコースは、本土や田島・横島が風を遮り、海上の波はややおとなしい。 走りやすい。



11:25、百島西海岸砂浜前に着く。 このポイントは、ずいぶん遠浅になっている。

と言っても、初めてのポイントだ。 東の風がある時には、ありがたいポイントになる。

砂浜まで、かなり遠く見えるが魚探の水深は2〜3mを表示している。

島に向かって(東に向かって)、正面に長い砂浜、右方向には風化した岩場が続いている。






                
             
   遠浅の長〜い砂浜                                    砂浜から岩場が続く





砂浜沖と岩場沖の両方へ投げられる辺りにアンカーを掛ける。 魚探に映る海底は、藻が繁っている。 

ところどころにゴロタ石もあるようだ。

釣友は、さっそく虫餌をつけて投げている。 今日は、5本針仕掛けを使用している。

「今日は、・・」ということは、釣りの状況で自由に針の数が変えられるということだ。

幹糸に等間隔でエダスと針が付いているものが釣り糸のように巻いてある。 針の数は数百付いているらしい。

それから、使用したい針の数分だけ解いて使用するらしい。 10本針にして投げようと思えばそれもできる。 

自由な針の数で釣りができるらしい。 おもしろい仕掛けがあるものだ。 キスの数釣りに、もってこいの仕掛けのようだ。

彼の仕掛けにあたりがある。 夏キスが上がってくる。 12〜14cmのキスがポツポツ釣れている。

突然大きなあたりがある。 上げてみると青ギザミ。 24cmの大物だ。






                    
                                      
24cmの青ベラ





ここでは、夏キス数匹と良型青ギザミを追加することができた。 また、天気の良い日にのんびりと釣ってみたいポイントだ。

釣りやすく、型も期待できそうなポイントだ。



今日は雨の中の釣りになった。 正確に言うと、「なった」のではなく、ず〜っと雨の中で釣りをした。

次回は、天気の良い日に、今日のようなキス・ギザミの大物や、さらにアジ・ヤズなどの大物も狙ってみたい。

12:20、アンカーを上げ、マリーナへ移動する。 マリーナへ帰港の連絡を入れる。

12:30、マリーナへ帰港する。 今日も、いろんなクルーザーが気になる。






                






                






                






無事、クレーン下に入港することができた。 今日は、マイボートで気になることが3つあった。 

@ ステアリングの遊びが大きかったこと

A トイレの水が出にくかったこと

B アンカーウインチが作動しなかったこと

以上、上陸後いつものところへ連絡しておこう。 「もう古いのでしかたないですよ。買い換えですね」と言われそうだ。

マイボートを上架してもらう。 エンジンに清水を通して終了する。 お疲れ様でした。






                






                                    今日の釣果






        
                                   
ギザミ2匹 キス7匹





        
                                    
ママカリ 約120匹



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