150426
毎年、4月の後半になるとキスの状況が気になる。
一般に、『キス(鱚)は、海水温が19℃以上になると活性化して一気に釣れ始める』ということだが、それを待っていると6月になってしまう。
しかも、海水温が10℃以下の真冬でも釣れる時には釣れる、釣れる場所では釣れるのだ。
また、4月終盤になると、大型連休も始まる。 これらのチャンスに挑戦しない手はない。
その他、鯛なども真冬の間から、鯛サビキや鯛玉で釣れているという情報もある。
上記のことからも、ぜひ出港してキスその他の調査をしなければならない。
もう一つ、出港してみたい理由がある。 それは、マイボートのリニューアル。
4月3日に、マイボートをリニューアルに出した。 現在の魚探を撤去し新しい魚探とGPSに。
無線機とオーディオは新品に。 エンジンを2S200PSから4S250PSに。 関連して油圧・ドライブケーブル・メーター類を交換。
ウィンチを一見、新品のように。 雨水浸入の疑いがある箇所をパテ修理等々のお願いをした。
14日、「リニューアルが終了したので明日15日、ボートをマリーナへ移動します」と連絡があった。
そして15日。 午後、マリーナへ行ってみると、海は波が大きくボートは出られない。
しかたなく、ボートは桟橋に繋留した状態で一通り機器その他の使用説明を受ける。
4S250PSエンジン 新しくなったGPS魚探とメータ類、アマチュア無線
しかし、実際に海に出て自分で乗ってみなければよく分からない。 船体検査が終わり次第、操船と計器操作の練習をしよう。
ところが、船体検査が長引いた。 予定では、リニューアルと同時に船体検査も終了している予定だった。
結局、船体検査が終了したのが、4月20日だった。
船体検査が長引いた理由。 次のような一文が追加されていた。
『本船の適正出力は200PSですが、これを超えた出力(250PS)の主機を搭載しています。
また船舶の安定性を損なわない制限速力は30ノットです。
このことを十分認識し、気象・海象、周囲の状況に十分注意して安全運航をする必要があります。』と。なるほど。
マリン関係の方が、「恐ろしいくらい走りますよ。40ノットは出ますよ。」と言われていたのはそういうことだったのか。
気を付けよう。 普段は30ノットも出すことはあまりない。 燃費のことも考慮し回転数を下げ、安全優先で海を楽しむことにしよう。
『釣友のみなさんとの出港までにボートに乗ってみておこう』と、思っていたが、20日(月)からの週も別件で潰れてしまった。
結局、今日の釣友のみなさんとの出港が、リニューアル後初めての出港になってしまった。
8:00前、隣のおじさんを乗せて出発する。
いつものように松永経由で境ガ浜マリーナ(5月1日付けで『ベラビスタマリーナ』に改称予定)へ移動する。
R2を横切り、松永の貯木場に突き当たると左折する。 柳津町の釣り具店「タイム」で、砂虫を2人で二千円分購入する。
今日は、キス釣りに掛ける気持ちが餌の量に表れている。 こういう時には、餌が余ることが多いのだが・・・。 さて、今日はいかに・・・?
続いて、藤江町のセブンイレブンへ。 ここでは、いつものように自分たちの餌、いや弁当と飲み物・おやつ・氷等を購入する。
よし! これで、準備万端、整った。 あとは、キスを釣るだけ。
マリーナへ到着する。 あれ? 時計を見ると珍しく9時前(8:50)に着いている。 どうしたことだろう? いつも9時を過ぎるのだが・・。
これから給油して、9:00には出港できそうだ。 今日はすべてに順調だ。
この順調な流れに、『今日は、キスが大漁』という気分になる。
晴れて波もない、絶好の釣り日和
マリーナ桟橋を見ると、これから出港予定の大型クルーザーが繋留されている。 次にマイボートが下ろされる。
桟橋に繋留されている大型クルーザー
大型クルーザーが出港したあと、マイボートの隣に42Fの大型ヨットが下ろされる。
この大きさのヨットは、もちろん外洋仕様なのだろう。 太平洋での荒波に揉まれることもあるのだろう。
42Fの大型ヨットが下ろされる
この大型ヨットを見て、カフェ『59』のマスターMさんの話を思い出す。
Mさんは、壮絶なヨット体験をお持ちだが、その体験のほんの一部を伺ったことがある。
「ハワイ・東京ヨットレース」や「グアム・東京ヨットレース」などの話から外洋のヨットレースのスケールの大きさに驚いた。
レース本番はもちろん、参加するために現地へヨットを回航する時のことなど、瀬戸内海の常識では考えられない話も聞いた。
外洋レースでは、波高10m以上の荒波の中で、命をかけた状態が1〜2ヶ月間続くとのこと。
レース用大型ヨットには、バウデッキからアフトデッキに太いロープ(命綱)があるそうだ。
キャビンから出ると、そのロープに自分の腰に巻いたロープ2本に付けた金属製のフックを取り付けて作業をするとのこと。
作業位置を替える時は、2本のロープを交互に1本ずつ取り外し取り付ける。 2本同時に取り外すと波にさらわれることがある。
常に1本はロープ(命綱)に固定された状態を保ってないと危険だとか。
海の怖さ・おもしろさ・海から学んだ人生訓などから、瀬戸内海は本当に恵まれ過ぎたマリンレジャーができる別世界なのだと実感する。
現在、Mさんは長いヨット人生の体験を執筆中とのこと。 「本ができたら連絡をください」と勝手なお願いをしている。
さて、マイボートの順番だ。 マリーナスタッフが繋留されているマイボートに、給油しようとして、困っている。
『あれ! どうしたんだろう?』と、心配そうに見ていると、マリーナスタッフが「給油口のキーはどこにありますか?」と。
マイボートのキーセットを見ると、確かに給油口のキーがない。
『そうか、リニューアルした時にボート屋さんが持ち帰っているのだろうか?』と、ボート屋さんに連絡してみる。
予想通り、給油口のキーは、ボート屋さんに残っていた。
さっそく持ってきて頂くのだが、約1時間かかるそうだ。 とうことは現在、9:10なので、キーがとどくのは10:10ということになる。
『う〜ん、しょうがない。待つとしよう。 すべて順調かと思われた今日の釣りだが、予定変更も致し方ない。』
今日のマイボートスタッフのみなさんに出港が遅れることを伝え、待ってもらう。
自分は、海上繋留のボートを見て回ってみよう。
普段、出港の時には、いつも出港桟橋から出港して帰港した時も、その桟橋から上陸する。
マリーナの保管艇を、じっくり見たことは、ほとんどない。 いい機会かな。
9:50、海上保管艇を見ていると、ボート屋さんが、キーを持ってきてくれる。 予定よりずいぶん早く持ってきてもらうことができた。
マリーナスタッフにレギュラーガソリンを給油してもらう。 この4S250PSエンジンは、レギュラーガソリンということだ。
4S275PSエンジンからハイオクガソリンらしい。
レギュラーガソリン給油中 今回は、152L給油
今回の給油は、レギュラー152Lになる。
前回、1月25日に、燃料満タンにして遠方の大槌島へニベ狙いに行った後、給油をしていなかった。
その時の走行距離は往復で、130km以上になった。 しかも、巡航速度は低速や高速と様々だった。
燃費は、当然良くなかった。 その結果これだけの燃料消費になっていたのだ。
給油完了。 出港準備OK!
さて、エンジン始動。 キーを回して始動する。 実は、リニューアル後一人で操船するのは初めてだ。
始動した後の、チルトや魚探・GPSの操作が、やや不安。
ところが、今は給油キャップのキーを持参して頂いたボート屋さんが桟橋場で待機してくれている。
チルト・GPS等についてアドバイスを頂き、『あっ、そうだったな』と、15日の説明を思い出し、不安感がなくなる。
いよいよ、桟橋を離れる。
大型ヨット(42F)に見送られて出港する
10:05、大型ヨットに見送られて出港する。 リニューアル後のエンジンは静かだ。
今日は、キス狙い。 最初のポイントは、横田漁港の外、 田島の別荘地前。
現在の潮は干底に近い。 睦橋の下の水深は、極浅くなっていることだろう。 通過するのは危険だ。 もしものことがあってはいけない。
横島の釜戸岬を回って行くことにする。
今日は出港までに、給油口のキーがないというトラブルがあったが、1時間余り遅れてなんとか出港することができた。
海は、穏やかで波はない。 天気もいい。 しかし、海上が霞んでいるようだ。 向島の高見山を見ると霞んでいて見えない。
高見山のTV塔が、よく見えない
針路を南にとり、睦橋を目指して進む。 海上には巨大な船台がロープで固定されている。
船台の間をすり抜けて進む。 百島の東海岸を通過すると針路を西へとり横島の海岸に沿って進む。
新しい魚探を見ると魚礁の位置が表示されている。 『なるほど、こんなところにあるのか。百島の方にもあるぞ』と。
以前の旧式な魚探では、魚礁の位置は表示されなかったので、新鮮に思える。 また、おもしろい。
魚礁の表示と釣りをしているボートの位置が重なる光景を度々見る。 また、魚礁の位置と漁師さんの船の位置も重なっていることが多い。
GPSの航跡表示をONにしていると、当たり前だが航跡にラインが入る。 しかし、狭いポイントでは複雑で分かりにくくなってくるようだ。
横島の釜戸岬を回ると、旧油所桟橋がある。 ここではたくさんの釣り人が竿を出している。
この旧油所桟橋沖は、真冬にキスが釣れるポイントとして知られている。 今日釣りをしているみなさんも、キスを狙っているのだろう。
キス?を狙っている人たち
東へ進むと、横山海岸沖を通過する。 砂浜からは投げ釣りをする人、釣りをするボートも3艇ほど見える。
さらに進むと、定置網エリアがある。 注意しながら定置網の外側を通過する。
地蔵鼻の沖を回り込んで横田港へ進んでいく。 すると、右側方向、田島の小高い位置に南欧風の別荘地が見える。
ここで、スタッフのむさん「赤旗ブイの近くがいい。その辺りから流してみよう。 昨日もその辺りでキスが釣れた。」と。
むさんは、昨日キス調査に来て、丘から投げ釣りをしてポイントを調査したとのこと。 ありがとうございます。
10:30、(下の田島写真の)赤旗ブイ辺りから流し釣りを始める。
水深は9m。 ボートはゆっくり北方向へ流されていく。 だが、方向は定まらない。 流される度に方向が変わる。
砂浜方向へ流れたり、離れ波戸方向へ流れたりする。 風の影響だろう。
砂浜方向へ流れる時は、8m・7m・6mと徐々に浅くなる。 離れ波戸方向へ流れる時は、10m・11mと徐々に深くなる。
しかし、キスらしい辺りは頻繁にある。
赤旗ブイから別荘地を見る 赤旗ブイから田島に向かって左方向の砂浜を見る
10:40、第一号が釣れる。 それからポツリポツリとキスが釣れる。 決して入れ食いではない。
潮と風に流されては、また赤旗ブイに帰って流すということを繰り返す。
ポツリポツリとキスが釣れる
流し釣りをしていても赤旗ブイの辺りが良く釣れるようだ。 赤旗ブイ辺りで釣ってみよう。
11:10、赤旗ブイの近くで掛かり釣りを始める。 引き続きポツリポツリ状態が続く。
同じ海域で、同じようにキスを狙っているボートがいる。 そのボートはもう少し南から赤旗ブイの辺りまでを繰り返し流している。
時々キスが上がっている
釣りを始めて、1時間ほど経過した11:30。 現在、キスが20匹余りの釣果。
引き続き、ポツリポツリ状態が続く。
12:30、状況の変化を求めてアンカーを上げる。 また流し釣りをしてみよう。
赤旗ブイから砂浜方向へ流される。 水深は8m〜5mまでを移動する。 30分ほど流して、キス10匹ほど追加することができた。
先ほどから、気になるボートにマイボートスタッフが声をかけてみる。
「釣れますか?」と。 「ぼちぼちです」と、応答がある。 続けて、予期せぬ追加の一言が・・・。
「まーちゃんですか?」と。 『えっ?! なんで知ってるんかな?』と、不思議に思っていると、続けて「しまです。HP見てます」と。
『あっ、あの時のしまさんだ!』 思い出した。 昨年の11月、タチウオシーズンにポイントを教えて頂いたしまさんだ。
あの時は、近場で燃料代がかからないタチウオポイントを教えて頂きました。 マイポイントが一つ増えました。
横田漁港をホームにして横島・田島周りで釣りを楽しんでいるしまさんでした。
意外なところで、いや、意外ではないのか、しまさんにとっては地元ですね。 声をかけて頂きありがとうございます。
それだけではなく、今日は、「あちらの白いブイ辺りでキス良く釣れますよ」と、アドバイスを頂きました。 ありがとうございます。
13:15、さっそく、(下の田島写真の)白ブイ辺りへ移動して、竿を出す。
白ブイ辺りから流し釣りを始める。
このポイントは、赤旗ブイ辺りのキスよりも、やや良型が釣れるようだ。
水深は、8mほど。 流すと、島に近づいていく。 すぐに、水深4mの浅場まで近づいてしまう。
良型のキスが釣れるが、ボートが座礁しないように気を付けなければならない。 今は潮の流れが島に向かっているようだ。
何度も、このポイントを流して良型キスを追加する。 しまさん、ありがとうございました。
14:00、「キスの保険をかけたので、他の魚で冒険をしてみよう」と、移動を始める。
当木島辺りの鯛の様子を観察しながら、因島大橋の下を目指すとしよう。
田島の別荘地前ポイントを離れ、南下する。 燧灘へ出ると西へ針路をとる。 定置網エリアの南側を西へ走る。
横山海岸を右に見ながら当木島方向へ走る。
午前中には、当木島の東側に鯛狙いらしきボートが集まっていたが、今は2〜3艇しかいない。
魚探で、海中の様子を見ながら当木島と釜戸岬の間を通過する。
この辺りから西は、一気に水深が浅くなる。 水深10m台がしばらく続く。 座礁まではしないと、分かってはいても感じは良くない。
14:30、因島大橋下(上地図のA)着。 向島側橋脚のすぐ南側にアンカーを降ろす。
北方向にある橋脚
西方向にある因島 東方向にある砂浜
南方向にある笹島
因島大橋ポイントについて、それぞれの仕掛けでそれぞれの方向に仕掛けを投入する。
すぐに、東方向へ投げた竿に良型のキスが釣れる。 笹島方向に投げた竿にもキスが釣れる。
タコ仕掛けをセットしているスタッフも、北方向の橋脚に向かって仕掛けを投入している。 いろんな方向に仕掛けを投入している。
しかし、どの仕掛けにも、ぴたりとあたりが止まってしまう。
15:00、このポイントは、諦めよう。
まだ、少々時間があるので、マリーナへ帰港の途中、百島で竿を出してみようということになる。
15:15、百島へ向けて出発する。
15:30、(上地図の)百島Bポイントに着く。 この浜は、遠浅になっている。 浜から離れていても水深は、3m弱。
海底には、一面に藻があるようだ。 投入した仕掛けには、藻が付いて上がってくる。
昨年の秋には、この浜で大型の青ベラや良型キスが釣れたことがあるが、今日は釣れる雰囲気はない。
百島 Bポイントの浜
スタッフが、「この浜の向こう側に、やや深くなっているポイントがある」と教えてくれる。 さっそくそこへ移動する。
16:00、(上地図の)百島Cポイントへアンカーを下ろす。
百島Cポイントの浜
この浜の前、水深4〜5mの辺りでキス仕掛けを投入する。 時々キスのあたりがあり、良型を含むキスが上がってくる。
釣りとは関係ないが、この浜にある建物(現在は廃屋)は、いい味を出している。 昭和の雰囲気がいい。
現在は夏場、海水浴等のレジャーに来る人が休憩に使用するだけになっているらしい。
今度、ここで釣りをしながら魚をつまみに、のんびり冷たいビールを呑んでみたい気がしてくる。
この休憩処を借りるにはどうしたらいいのかな?
あっ、そうそう、このポイントでは、キスを数匹追加することができた。
16:30、今日の釣りは終了にしよう。 アンカーを手動で上げる。
先日リニューアルが終了したばかりだが、ウインチが故障したようだ。 また、ボート屋さんに連絡しなければ・・。
百島の南側を回って帰港することにする。 マリーナへ帰港の連絡を入れる。
10分後、マリーナが見えてくる。
ベラビスタマリーナ(4月1日より改称)が見えてくる このクルーザーはクレーン待ち?
マリーナに入ると、トローリングクルーザーが待機している。 上架待ちなのか?
よく見ると、このボートは海上繋留艇のようだ。 『じゃあ、お先にクレーンの下へ行き上架してもらおう』とクレーンに近づく。
その後、上架して頂き、船台に移してもらう。 ここで、一つ連絡を受ける。船台の車輪が一つ壊れているそうだ。
またまた、出費が? 先日のリニューアルで、海関係の予算は使い果たしてしまったのだが・・。
マイボートの中を清掃し、エンジンを洗浄する。
さて、今日の釣り。 キスは、そこそこ数釣りができた。
今日のキスポイントは、この時季のキス釣り場として優良ポイントだと再確認することができた。
さらに、今日はこのポイントをより広範囲に試釣することができ、良型キスの多いエリアを見つけることもできた。
しまさんのアドバイスも大きかった。 ありがとうございます。 今後ともよろしくお願いします。
キス41匹(23〜12cm)、デベラ1枚、フグ1匹、ハゼ1匹
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