間引き大根   植え替え実験     170514



畝に種子から植え付けをした大根が成長している。 すでに間引きの時期を迎えている。

多くの生産者のみなさんは、成長して大根と大根の隙間が狭くなってくると、成長の悪い大根を抜く。

そうすると、成長が良い大根は益々大きな大根になる。

成長途中で抜かれた大根は、間引き大根として食用にされたり捨てられたりする。

自分は、以前からこの間引き大根に対して、『もったいない』という思いを持ち続けている。



昔、近所のベテラン農家の方に質問をしたことがある。 

自分、「間引いた大根をもう一度、充分な間隔をとって植えたらどうなるじゃろうか?」

ベテラン農家「いけん、いけん、生えやあせん。無駄なことよう。 それより間引き大根は美味いけえ、食べた方がええ」と。

その他にも何人か農家の方に聞いてみたが、みなさんが同じような解答だった。

ネットなどで調べてみると、「葉物野菜は、間引菜を植えても、まともな収穫があることが多い。」

しかし、「根菜類(大根など)は、間引菜を植えても、まともな収穫が得られないことの方が多い。」とある。

この文章の『収穫が得られないことの方が多い』にこだわった。 

自分は、『収穫がえられないことが多いが、100%できないのではない』と解釈した。

さらに、『大根の間引き菜を、間隔をしっかりとって植え付け、施肥や灌水をしっかりやれば立派な大根ができる』と理解した。



そこで、今回の大根栽培では、間引き大根の実験をしてみる。

この間引き大根を植え替えて栽培してみよう。実験開始。


先ず、間引き大根用の畝をつくる。 

その畝に、30~40cm間隔に鍬の柄を突き立て、直径3cm深さ20cmほどの穴を開ける。

その穴へ、やさしく抜きとったばかりの間引き大根の根部分を入れ植え付けをする。

植え付けをした部分を、灌水した水が逃げないように、やや低くする。 

植え付け後、朝晩の灌水をしっかりする。



今回は第1弾として、間引き引き大根を12株だけ植え付けをしてみた。

さて、どうなることでしょう?




                
                5月14日 : 
植え付けした間引き大根12株。 
                         順調に成長するような兆しが見えたら、続けて50~60株の間引き大根を
                         植え付けしてみようと思いますが・・・?
                         さて、どうなることやら。 





                
                5月17日 : 5月15日には、『大根は全滅か?』と思われる状況になっていた。 
                         しかし、その日(15日)さらに間引き大根13株を、この畝に追加した。
                         これで、間引き大根25株の実験栽培となった。
                         しかし、今日(5月17日)、25株全ての間引き大根が『全滅』の様相を呈している。
                         この惨状にめげずに、引き続き、朝夕の灌水を続けよう。





                
                5月21日 : な・な・なんと、一部の大根の葉が上を向いている。
                         やっと復活の兆しが見えてきた。毎日の灌水を続けている。
                         少々の施肥(化成肥料)をする。





                
                5月25日 : 全ての大根が生き返ったようだ。 このまま順調に成長して欲しい。





                
                6月1日 : 25株、全ての間引き大根が成長を始めているようだ。
                        葉は元気そうになったが、肝心の地下茎(食用部分)も成長するのだろうか?





                
                6月4日 : 畝の表面、大根の周辺部に小さな亀裂が確認できる。
                        大根の根(食用部分)も成長しているようだ。 大きくなってほしい。





                
                6月9日 : 畝の表面、大根の周辺部の亀裂が大きくなってきている。
                        大根の直径は、5~6cmほどに成長している。
                        間引き大根として移植した時は、直径2cmほどだった。ずいぶん成長したものだ。
                        2日前の雨もいい方に影響しているようだ。 
                        間引き大根の実験は、25株すべて成功したということかな? 
                        移植直後は、『全滅か!』と、慌てた時期もあったが、どうにか収穫期が近づているようだ。




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