100211
芦田町の「スペース461」からピアノリサイタルの案内をいただいていた。
伊藤憲孝さんのピアノで、ショパンを中心にしたプログラムのようだ。久しぶりにピアノを聴いてみたくなった。
案内には「要予約」とある。さっそく連絡を入れるとマスターの「いいですよ」という返事をもらうことができた。
HP「スペース461」より
今日は、13:30開場、14:00開演となっている。「スペース461」へ13:40到着。
さっそくホールへ。 ここは、会場いっぱいに入っても30人ほどのこじんまりとしたホールだ。
間近で聴くことができるので演奏者の指使いから呼吸まで、すべて聞えてくる。
聴きに行った自分だけのために演奏してもらっているような気分になることがある。
ホールには既に15人ほどの聴衆が入っている。 ピアノの上にはカメラがセットしてある。
演奏中、右の壁面に演奏者が映し出されるようになるのだろうか。
スクリーンに画像が映し出された。鍵盤が映されている。
なんと、ここにはピアニストの演奏中の指使いが映し出されるのだ。 なかなかおもしろい試みだ。
今日のプログラム 「伊藤憲孝 ピアノリサイタル」
ショパン:ノクターン遺作、作品9-3
スケルツォ第2番作品31
マズルカホ作品41-2、作品7-1、作品17-4、作品7-3、作品30-3
ポロネーズ作品53<英雄>
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クルターク:ムソルグスキーを讃えて
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
おもしろい曲の説明を加えながら演奏が進んでいく。
くせのない曲の解釈でまじめな人柄が表れているような演奏に聞える。
今年は、ショパンの生誕200年ということで、ショパン中心のプログラムになっている。
ポーランドで生まれ、フランスで活躍したショパンの人生が彼の曲づくりにどのように影響しているのか、
大変興味深い解説と曲を聴くことができた。
また、ムソルグスキーの有名な組曲「展覧会の絵」が作曲された背景についての説明を聴いた。
それは、あの有名な「展覧会の絵」のメロディーは、プロローグでしかないということ。
ムソルグスキーが友人である画家のハルトマンの展覧会を観に行った時の様子を曲にしたそうである。
7枚の絵を1枚ずつ見てまわりながら曲にしたそうだ。絵と絵の間の移動の時間があの有名なメロディーで
表わされている。絵の部分にあたる曲は明るい曲・暗く重々しい曲・軽やかな曲など様々な曲がある。
「展覧会の絵」1曲がピアノで35分間もかかる曲だとは知らなかった。
プログラム全てが終了し、アンコール。
ショパンの幻想即興曲 OP66だ。
やはり、この曲を聴かないと、みなさん、ショパンを聴いた気がしないのではないかな。
ライブでじっくり聴くとやはり、いい。グッとこみあげてくるものがある。やはりこの伊藤さんはうまいのだろう。
演奏技術に関してはムリをしてる感、がむしゃら感がない。技術的に難解な部分もサラリと弾ききっている。
さらに、聴く人に音楽的な充実感も感じさせてくれる。
テクニックと音楽的な高さ、どちらもすごいピアニストなのではないだろうか。
「スペース461」のマスターには悪いが、ここで聴けるピアニストではないような気がしたのは自分だけ?
ひさしぶりに、いい音を聴くことができた。マスター、ありがとうございました。