110130
地域情報誌によく登場している「ろんでんカフェ」。
築130年の古民家を利用した「究極の隠れ家カフェ」という見出しで載っている。
今日は粉雪が舞うとても寒い日だが、気になり始めると行ってみたくなる。
2時過ぎふらりと出かける。 松永に出て、「みろくの里」方面に車を走らせる。
+マークに「ろんでんカフェ」がある
「みろくの里」入り口を過ぎ、沼南高校前を福山方面へ進む。 支援学校横を通過。
しばらく走ると熊野郵便局がある。そこを右折して道なりに走る。
熊野ダムの堰堤に近づいて行くと道の右に案内板が見える。 普通車がやっと通れそうな道に入る。
50mほど走るとろんでんカフェの駐車場に着く。 隣は孟宗竹の竹藪だ。
孟宗竹の竹藪 ろんでんカフェの入り口が見える
車を降りて入り口へ向かう。
築130年というか廃屋にも見える
「OPEN」、確かに営業されているようだ
左を見ると崩れかけた土塀が・・
りっぱな門だ
門をくぐると、ろんでんカフェの敷地の中に
左を見ると日本庭園が・・
ただの古民家というより、かなり旧式な大豪邸を修復もそこそこに、カフェに改造したという感じだ。
カフェそのものの建物は古民家風カフェになっているが、庭園やそれを囲んでいる土塀はもう少し修復した方がいいのではないか。
崩れかけた土塀や荒れた庭園は、わび・さびの世界を通り越して平家物語の盛者必衰の域に達しているようだ。
このカフェは2007年4月に開店したと聞いたが、それ以前にはどのような方が住んでおられたのだろうか。
明治初期にこのような土塀に囲まれた広い敷地に建てられた豪邸、
孟宗竹の竹藪の中には3m近い苔むした墓石が整然と並んでいるのが見える。
この家に住んでおられた方々の墓石であろうか。
ここから西へ谷を越え沼隈へ行くと平家ゆかりの赤幡神社がある。 そこには昔から平家伝説がある。
赤幡神社では、垂(しで「しめなわにつける紙」)に赤い紙を使う。
また,この谷(沼隈)の人々は昔から源氏が白旗を使っていたことから,白を忌む(さける)風習があり,下帯,手ぬぐい,
下着にいたるまで赤くそめたという。 もちろん綿や夕顔もわざわいが起こるとして植えなかった。
この建物(現在のろんでんカフェ)に住んでおられた人も平家の落人の末裔であったのではないだろうか。
巨大な墓石や豪邸跡を見て、いろいろ想像してしまう。
沼隈のとなりにはなるが、ここ熊野についての歴史も機会があれば調べてみたい衝動に駆られる。
さて、ろんでんカフェの中に入る。
ろんでんカフェ入り口
玄関を上がり、手作りのスリッパに履き替え、とても落ち着いた店内へ。
建物の縁側から一つ内側のテーブル席に着く。 コーヒーと今日のケーキをお願いする。
今日のケーキは、クリームブリュレというもので、プリンの上に焼かれ解けて固まったカリカリシュガーがのっている。
歯ごたえのいいケーキを食べながら気づいた。 BGMはクラシックギターかリュートの音だ。
しかも、曲はバリバリのバロックだ。 ビバルディの時代の曲だ。 このカフェの雰囲気にぴったりじゃないか。
年末には、入ったカフェで偶然ジャズを聴く機会があった。
その時、「ジャズは軽く聞き流せるのがいい」と思った。
しかし、今日はバロックを聴いて「バロックはBGMとして聞き流せるのがいい」と、また思った。
自分の中では、ジャズとバロックは共通するものがあるのだろうか。
それにしても、このカフェの雰囲気に合っているBGMだ。 つい、ニンマリしてしまう。
店内は畳を板に張り替えてある。
また、陶器やパッチワークなどがたくさん置いてある。 おそらく店主と奥さんが気に入った作品を集めておられるようだ。
ずいぶんいろんなものを集めておられるようだ。 現代のものばかりではなく骨董品もかなりたくさんある。
ゆっくりと見て回る。 いい音を聴きながらのリラックスタイムがいい。
庭園の止まり木ではメジロがオレンジをついばんでいる
このカフェをやってるご夫婦は、東京育ちの、アメリカ暮らし。
ご主人の仕事でアメリカでの生活が長かったそうだ。
仕事をリタイヤした後、日本へ帰国し、この熊野の地を見つけカフェを開店されたそうだ。
今日は、音・食・歴史、3つの趣味領域を刺激していただきリラックスすることができた。
ろんでんカフェのスタッフのみなさん、心地よいおもてなしをしていただき、ありがとうございました。