チェロ・ピアノ      デュオリサイタル  110220


SPACE461のマスターから「チェロ・ピアノデュオリサイタル」の案内が届いていたので予約をお願いしていた。

今日のプログラムは、堅苦しいものではない。

白鳥(サンサーンス作曲)、愛の挨拶(エルガー作曲)など、みんなよく知っている曲も入っている。

福山市芦田町の「SPACE461」へ出かけてみる。



     
                               HP「SPACE461」より

今日のリサイタルの演奏は、ピアノが伊藤憲孝さん、チェロが泉玲奈さんだ。

前回この2人の演奏を聞いたときは、伊藤さんのピアノがメインで泉さんは賛助出演のような形だった。

今回は、泉さんのチェロがメインになる。

泉 玲奈(いずみ れいな)
エリザベト音楽大学大学院音楽研究科器楽専攻修士課程を首席で修了。
これまでにチェロを故 馬場省一、河野文昭両氏に、室内楽を故 馬場省一、河野文昭、大野かおるの各氏に師事。第4回KOBE国際学生コンクールにて奨励賞を受賞。
2000〜2003年までエリザベト音楽大学非常勤講師をつとめ、現在、 エリザベト音楽大学付属音楽園非常勤講師、同大学エクステンションセン ター講師。安田学園安田中学・高等学校非常勤講師として後進の指導にあ たる他、ソロ、室内楽、オーケストラなどでも演奏活動を行っている。 HP「SPACE461」より
伊藤憲孝(いとう のりたか)
1978年生まれ。ドイツ・ベルリン“ハンス・アイスラー”音楽大学を卒業。イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、韓国など世界各国で演奏を行なっており、その演奏は「・・・彼は、大変繊細なピアノを弾く。音色も美しく、弱奏から強奏まで表情豊かであった。(中略)それにしても将来が楽しみな逸材には間違いない・・・」(音楽の友2010年4月号)など好評をもって迎えられている。福山平成大学講師、エリザベト音楽大学非常勤講師。 HP「SPACE461」より
            今日のプログラム

 愛の挨拶                        エルガー作曲

  シチリアーノ                       フォーレ作曲

 白鳥                           サン=サーンス作曲

 ユダス・マカベウスの主題による12の変奏曲  ベートーヴェン作曲

 チェロソナタ ト短調 Op.65               ショパン作曲



             アンコール

 浜辺の歌                        成田為三作曲

 白鳥                           サンサーンス作曲

午後2時開演だが、会場に着いたのが1時45分。 この会場は、聴衆が30人程度で一杯になる小さな会場だ。

演奏者の息づかいから、指が弦と擦れ合う音まで聞こえてくる。 演奏者が自分のために演奏してくれているような気分になる。

小さな会場なりの良さがある。


        



今日の聴衆は30名余り。 SPACE461のマスターの挨拶からリサイタルが始まる。


             


泉 玲奈さんが登場。 まず、チェロの説明から始まる。 バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスのこと。

表面板に空いている穴の形のこと。 穴について、昔はC型、その後S型になり、今はF型になっている。

その理由として、材料の木材の繊維方向と耐久性を考えると、一番割れにくいのは現在のF型がいいのだとか。

この説明は意外なものだ。 

自分が勝手に思っていたのは、音響を考慮して穴の形が決められているものだと思っていた。

さらに意外な説明が・・・。 チェロを支えている金属棒(エンドピン)について。

この金属棒(エンドピン)は、チェロの重さを支えるだけでなくチェロの振動を床に伝えて、床からも聴衆に振動を伝えるそうだ。

説明は続く。 チェロの音域は広い。 バイオリン、ビオラ、チェロの音域はすべて出すことができるそうだ。

プログラムが始まる。


        


「愛の挨拶」 チェロの特徴というか、フレットがない楽器はビブラートが付けやすい。 

ビブラートが染み渡る。 ハートに迫ってくるものがある。 バイオリン属の特徴だ。

ちなみに、このページのBGMも「愛の挨拶」ですが、こちらはハープの演奏です。

続いて、「シチリアーノ」 これは今、焼酎のコマーシャルのBGMに使われている。 馴染みの曲だ。

音は不思議なもので、CMで聴き慣れた曲は、そのCMを連想してしまう。 困ったものだ。

「白鳥」 これは誰もが知っている名曲。 みんな知っている曲は弾きにくいそうだ。 

ミスがすぐに分かってしまうからと、なかなか楽しい説明を。

「ユダス・マカベウスの・・・・」 これは、体育会系の賞状を受け取るときの曲。 これは知らなかった。

「チェロ・ソナタ・・」 4つの曲からなる。 3つ目がいい。 しっとりと聞かせてもらえた。

アンコールでは、「浜辺の歌」と再度「白鳥」を。


                     


終演後、みなさんは、満足の笑顔で会場を後にされている。

今日のリサイタルは、楽器の説明から始まり、曲の説明も大変興味深いものがあった。

また、演奏者の間近で、呼吸や指の動きなども感じ取れる迫力ある演奏を聴くことができた。

チェロの響きはいい。  マスター、今回も楽しいリサイタルをありがとうございました。


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