150804
7月下旬、先輩方お二人から食事会のお誘いがあった。
『8月4日12時〜、笠岡の「お多津」でゆっくり食事をしましょう』というものだった。 「よろしくお願いします」と返信している。
駅家の「花」、上下の「棕櫚庵」に次いで笠岡の「お多津」は第三弾になる。
今回も、自分、TAさん、TUさんの3名での食事会になる。
笠岡の「お多津」・・・、以前行ったことがあるのだが・・・。 思い出せない。 5年前? 10年前?
はっきりと憶えていないが、職場のみなさんと訪れたような記憶がある。
笠岡から井原へ行く道沿いの小高いところにあった・・・、これまた、ような記憶がある。
今日は、11時前にTAさんが自宅の近くまで迎えに来てくれるそうだ。
10:30過ぎ、自宅の庭で、しばらくうろうろして、道路に出てみる。 しばらくすると、TUさんの車がやって来る。
「お願いします」と、車へ。 続いて、TUさんを迎えに行く。
11過ぎから、移動を始める。 3人で笠岡への行程について話をし、距離を優先して行程を決める。
R2へ出て東へ行くのではなく、神辺を抜けて行くことになる。
前回の食事会(6月21日、棕櫚庵)で、お互いの近況報告をしてから後の情報交換をしながら笠岡へ向かう。
R486を、東へ走る。 神辺に入る。 R313を突っ切り進む。
途中、幹線道路ではなく、地方道路を迂回して、県道34号線(笠岡井原線)に入る。
34号線を、笠岡方面に向かって行く。 東大戸辺りで、笠岡方面に向かって右側に注意していると大きな「お多津」の看板が見える。
そこを、右折して小高い所にお多津は、あった。
ここまで来ると、『来たことある、ある』となる。 来たことがあるという記憶はあるが、だれといつ頃という記憶は飛んでしまっている。
駐車場に入ると、ご主人が出迎えてくださる。
歴史を感じることができる門から、お多津の庭に入る。
中に入ると、苔むした日本庭園が広がっている。
庭園の木々はずいぶん成長している。 真夏の日光が木々の枝の間から差し込んでいる。
苔むした庭と日光を遮る木々のおかげで、ずいぶん過ごしやすい。 この庭園に入る前とはずいぶん違って涼しい。
築150年の、元庄屋をされていた古民家で「お多津」を営業されているとは聞いていた。
しかし、よくここまで昔のままの日本庭園を、管理しながら残してこられたものだ。
自分が江戸時代の庭園にタイムスリップしたかのような感覚になる。
しばらく、よく手入れされた日本庭園を散策する。
ここから建物を見ると、母屋・離れ・茶室と並んでいる。 その母屋と離れが、今、客室として使われているようだ。
今日の食事会場である母屋の一室に案内される。
3人で、部屋に入る。 中に入ると、我々3名は奥の襖(ふすま)に向かって横並びに席に着く。
畳の和室だが、足元は掘りごたつのようになっていて足に窮屈さは感じない。
3名の正面にある襖は江戸時代当時のものがそのまま使われているようだ。
わらべが描かれている襖
襖には、江戸時代当時の楽しく遊ぶわらべが描かれている。 これは、江戸後期のものだろうと思われるような傷みや汚れがある。
誰が描いたものだろうか? 時代を感じるものだが、よくこのようなものを大切に管理されていたものだと感心する。
TVの『なんでも鑑定団』等に依頼すると高額なものだと鑑定されるのではないだろうか。
そんなことを考えると、この部屋にあるものすべてが、『高価なものかな?』と思えてくるから不思議だ。
この花瓶に使われている徳利も、花台ももずいぶん高価なものに見えてくる。
今日はTAさんが、コース料理を注文してくれている。 とは言っても、ここはコース料理のみで、前日の午前中までの予約らしい。
5分ほど待っていると、料理が運ばれてくる。 これは、先付けかな?
先付けと前菜が一緒になったお膳のようだ
運ばれてきた料理のお膳は、ひょっとして江戸時代に使われていたものだろうか?
年代を感じるような、使い込まれているような代物だ。
料理は、5品(炊合せ、白和え、もずく酢、そうめん瓜、みょうが寿司。
さっそく、料理を頂く。 この部屋の雰囲気、季節を感じることができる食材、細やかなスタッフの対応、リラックスできます。
ほうじ茶で頂いていた料理でしたが、ついに我慢できず、ビール(中ジョッキ)を注文してしまいました。
今日は、運転もないしビールOKです。
続いて、鯛の刺身、茶碗蒸し、・・・、何だったかな?、黒ごま豆腐というものだったかな、違っていたらごめんなさい。
ちょっと、アルコールの影響が出始めたらしいです。
どの料理も、申し分ない味です。 が、ビールが進み過ぎると、せっかくの美味しい料理を味わうことができません。
ビール、中ジョッキ2杯飲んで、飲み物は、がまんすることにします。
続いて、天ぷらの登場です。
この天ぷらは、鱧・エビ・シシトウ・ナスだったような・・・?
ここでは、天つゆではなく、なんと、アンデス産の岩塩で頂きます。 さっぱりと美味しいです。
続いて、炊き込み御飯とそうめんが出てきます。 『えっ?! これがそうめん』と、目を凝らします。
炊き込み御飯は、分かるけど、右のものは竹筒とアマガエルのおもちゃにしか見えません。
炊き込み御飯から頂きます。 ほろ酔い加減の味覚では、すべて美味しく・・・、いやいや、本当に美味しいです。 美味です。
『この竹筒が、そうめん?』と、思っていると、店のスタッフの方が説明してくれます。 「この竹筒の・・・・・・・・」と、説明を聞く。
『な〜るほど。 よく、そんなことを考えたものだなあ じゃあ、どのような方法で、このように盛り付けるんだろう?』
『盛り付けた後、勝手にそうめんが出ないのかなあ?』等々疑問も湧いてくる。
ちなみに、竹筒の上のアマガエルは、本物ではありません。 ソラマメとグリーンピースでつくったものだそうです。 すごい!
さて、「これがそうめんです」と言われた竹筒ですが、スタッフの説明通りに、竹筒を持ち上げてみます。
なんと、本当のそうめんが、江戸切り子の器の中に一気に出てきます。 そして、何やらオレンジ色のニンジンも出てきました。
おっと、失礼。 「オレンジ色のニンジン」ではなく、「赤い金魚」だそうです。
「赤い金魚が清流の中を泳いでいる」という図ができたらしいです。 なんと、奇抜なアイデア!
『こんなことを考えているスタッフは、相当ひま・・・、いやいや、料理を通してお客様をいかに楽しませるか、こんな演出も考えていらっしゃるんだ。』
と、ここのスタッフの日頃の取り組みに感心した次第です。
竹筒の中から出てきた、そうめんを一口。 『これが、そうめん?』 ここのそうめんは、やや太めですが冷や麦ではないそうです。
ここで出されているのは、鴨方そうめんです。 「鴨方そうめん」は、やや太めの麺なのだそうです。
ここ、お多津では、江戸時代の雰囲気の中で、時の流れを感じながらのんびりと食事をすることができました。
その料理のすべてに心遣いと工夫・ユーモアを感じることができました。
料理で、ユーモアを味わったのは初めてかも?
いろんな意味で、豊かな料理を味わいながら、3名で近況報告も充実したものになりました。
「お多津」様 ありがとうございました。
TAさん、TUさん、今日はありがとうございました。
またの機会を楽しみにしています。 よろしくお願いします。
topicspageへ